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雪原
雪が降っていた。 辺りは真っ白の平野地帯。 目の前には死んだ人間が雪を被っている。 静謐の中で手袋を取り、彼の雪を払う。 冷たい顔。正気のない目。凍った唇。 雪を踏む音だけが聞こえる。 遠くの遠くの山は白かった。 意識が朦朧としながら歩いていく。 ただひたすら何かを目指して歩いていく。 手にはパンが握られて。 さっきのやつから奪ったのだ。 こうやって叩き落として叩き落として人は進んでいく。 白い白い世界の中で私はただ歩いている。 この雪が溶ければ、あいつはどうなるだろうか? いっそ全員溶かしてくれ。 私の醜い心を洗い流してくれ。 何もかもなくなって綺麗さっぱり。 緑の大地にはクローバーが敷き詰められて。 黄色い花が小鳥を誘惑して。 理想郷、理想郷、理想郷
雪原 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 588.9
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2025-07-27
コメント日時 2025-08-01
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 前衛性 | 0 | 0 |
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| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
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| 音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


こんにちは
0こんにちは
0黄色い花が小鳥を誘惑して、というところがいいですね。理想郷はあると思います。
0こんにちは。 宜しくお願いします。 理想郷と現実の解離を感じながらも、 書かずにいられないから、 「詩人」なのかもしれませんね。
0こんばんは、 >>目の前には死んだ人間が雪を被っている。 静謐の中で手袋を取り、彼の雪を払う。 冷たい顔。正気のない目。凍った唇。 この連の描写にドキッとしました。
1理想郷と言うアポリア。雪原の白さ。小鳥を誘惑する黄色い花。白い白い世界の中を歩く私は何時か詩的真実に辿り着くのかもしれません。
0人間の醜さ、残酷さと雪の美しさが程よく対比されているなと感じました。理想郷を夢見るも届かない厳しさを痛感させられます。
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