香らないで欲しかった
家庭の匂い
小瓶に詰めて海に流したはずだった
善意で拾った子猫が咥えていた
退化させたがるフェロモン
僕の部屋には
僕用の回し車があったりしたのだったと
狂れた想い出が蘇り
そんな時訝しげな顔をするでも無く
眉間に皺を寄せ癇癪を起こすでも無く
サルにはもうならないわよと
平気な顔でちょうちょに結って
「いってらっしゃい」と囁く
それも丁寧に青空まで捲ってあげて
無呼吸の宙へと飛ばしてあげる
ふと指に残る粉は紅にして
時たま綴る言葉に潜ましてあげるのだ
そう言い聞かせ、1人
付けっぱなしのTVには
「天国は真空パックでした!(てってれー)」
という分かりきった答えに真面目に間違える
高学歴アナが映っていた
くしゃみをする
砂嵐が起きてみんな吹っ飛んでいった
もう一度くしゃみをする
急に中継が挟まり家屋が吹き飛ばされている
それをぼーっと眺めている
あっ、まただ 香る
鼻の音ではなく
肌を作るユニット全てがズレる
焦って床下の隙間に身分証明書を挟み込む
それが全てで安寧であった
息を吐き椅子に座る
コーヒーを飲む
「メス」と言いながら自分で取り上げ
自分で自分を捌いてゆく
スズメバチから総武線まで
世界の万物がそこにあった
だからきっと薫る
すべてのパロディーとして生きること
そっと傷口を閉じても
また大声で捲し立てるだろうから
他の傷のお喋りで過ぎ去ろう今は
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 504.1
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作成日時 2025-07-06
コメント日時 2025-07-08
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:504.1
2025/12/05 22時18分13秒現在
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風景画のオンパレードなんだね。 これくらい忙しなく場面が展開されるのには作者のなかでは景色が出来上がってるんだろうね。もちろん 、読み手にはちんぷんかんぷんだよん。 でも、おもしろいかな? こういうのはつなぎが難しいんだよね。ズラしながら展開していく場面の、なんでもないつなぎ言葉が。 やっぱりメリハリだと思うのよね。文体文調子のメリハリ。どこかで変化を加えていかないと読み手は耐えきれないと思うのよね。わたしは。 この僕的な作者は、絶対女性だね。確信する。
0こんばんは。 ラスト、 >>他の傷のお喋りで過ぎ去ろう今は 聞き慣れない言葉の連結でお気に入りました。ユニーク。
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