フィラデルフィアの夜に 57 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

わたしがいのることは

とても重い

みんな経験したことがあるであろう、とても重い"ちょっと"が詰まっている。

錠9

生きる

声なき声を拾いたいと思ったことはあるか

わたしは、ある。 あなたの胸を叩き 何故なのかと問いただしたい そう呼び止められた時 わたしは何と答えられるだろうか。 静かにだが確かにこの詩からは 張りつめた足音が聴こえる

ぼんじゅーる

天皇陛下万歳

知的破産者及び愚昧界の金字塔

平成天皇と存命中に呼び不敬を極め、大正・令和を外す選別賛美。明治から平成まで乱暴に万歳する時代錯誤と挑発精神が光る奇作。

大人用おむつの中で

好きです。

切れのいい、知性あふれる現代詩だと思いました。

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。

硬派な作品

萩原朔太郎や中原中也のエッセンスを感じます。

千治

体験記『呆気ない宣告』

それはあなたの現実かもしれない。

大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

ほば

世界は自由だ━不死━

わかるということ

あなたにとっては何が、その理解が起きるピースになるだろうか?

ほば

ふたつの鐘がなるころは

鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

運営在任中に出会った多くの作品の中のベスト。決して忘れない。

yasu.na

良い

シンプルに好き

あっす

パパの日曜日

パパの日曜日

いい

明林

終着点

生きる、その先に死地はない!

美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

yasu.na

九月の終わりを生きる

呼び覚ます声

夏の名残の暑さが去ろうとする頃、九月の終わりになると必ずこの作品のことを思い出す。

afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

るる

詩人の生きざま

言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

正直意味は判然としない。 だが、じんわりあぶり出される情景は、良い! 言葉に酔おう!

羽田恭

誰かがドアをノックしたから

久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

この作品、私はとても良いと思うんだけど、まさかの無反応で勿体ない。文にスピードとパワーがある。押してくる感じが良いね。そしてコミカル。面白いってそうそう出来ないじゃん。この画面見てるおまえとか、そこんとこ足りないから読んどけ。

カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

これ大好き♡

読み込むと味が出ます。素晴らしいと思います。

きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)



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フィラデルフィアの夜に 57    

フィラデルフィアの夜に、針金が解けます。  水に、酒に、顔が映り込みます。 暗く沈んだ顔が、真っ黒な影の向こうにうっすら浮かび、飲み込めない今を映しています。  度数の高い酒を飲んで忘れようにも、体が受け付けず堪らず水を入れて割ったものの、より忘れられない現実が頭をよぎり続けています。  グラスを揺らし、顔は波紋で消えますが、また元通りに。 揺らしても揺らしても、元通りに。 何も変わらないことを教えてくれるのです。  せめてこのグラスの中の液体は一気に飲み込もう。 そう思った時。 何かある。 暗い顔が映る水面の向こう。 何かがある。 塊。 氷の様にも見える。  指で顔を、水面を、酒と水をかき分け、拾い上げた。 白い、隙間だらけの、何か。 網状に編まれた針金の球体。  いつの間に。 なんでこんなものが。 そう考えつつ、針金に爪先を食い込ませていく。 引っ張り、押し込み、引っ張り上げ、パズルみたいに編みこまれた球体を解いていく。  引っ張る。長く長く、針金を引っ張り出す。 押し込んでみる。底なし沼の如く針金は、球体の中へ吸い込まれていく 解いていく。指で摘まめるほどの大きさだった球体が、無限を連想させるほどに、針金が飛び出してきた 針金を解くたびに。  それでも針金の塊を解くと。冷たい感触。 手が濡れ続ける。迸り続け、湧き出していく。  針金の塊から、水が噴出する。 手が、体が、部屋中が水に満たされていく。  それでも針金を解くのを止めない。 指先が、心が、針金を解き続ける。 針金は水と同じく部屋中に散らばり、満たしていく。 あの小さな塊から飛び出してきたと、この世の誰もが信じないほどに、水と針金が。  ついに塊は、解き終わる。  最早立っていても呼吸が難しい位に水が部屋に満ち満ち、針金もまた身動きできない量を部屋中に長く伸びている。  一体何が。 不意に冷静になるも、針金が一か所に集まりだす。 針金が人の形を作り出してくる。  自分とそっくりの姿に、変わっていく。 水がその針金の元へ、集まりだす。 自分そっくりな針金人形に水が吸い上げられて、部屋は乾く。  体が動く。 人形が動くと同時に。 真向いの人形に、自分の体が同調している。 声も出せず、表情すら変えられず。 体が動く。  見たこともやったこともない姿勢に。 右足を大きく、天に届くほど大きく振り上げる。 そして。 地面へ踏み込んだ。  部屋が、世界が揺れた。 大津波が巻き起こる。 人形の中の水と、自らが踏みしめた衝撃で部屋に残っていた水が、世界を壊し、打ち鳴らす。  左足を大きく、天に届くほど大きく振り上げる。 また。 地面へ踏み込んだ。  水と衝撃が、全てを揺るがし震わせ、世界に知らしめる。  人形と自らは、向かい合い頭を向け合う。 お互い同時に動き、ぶつかり合う。 頭蓋骨と人形は、交通事故以上のの轟音を鳴らす。 狭い部屋の中で、灼熱しだした体が言うがまま。 顔を張り、顎をカチ上げ、腕を取る。 顔から血が、人形から水が噴火の如く噴き出しながら。 崩した姿勢を急いで戻し、人形を再び押し出しにかかる。  悲鳴を上げだした足腰の叫びを無視し、壁へ人形をぶつけた。  体中、あらゆる場所が少しの隙間もなく悲鳴を上げています。 部屋は水に濡れ、何もかもが壊れました。 傷口は大きく開き、血が流れ続いています。 人形をぶつけた壁は大きな穴が開き、そこから隣人が警察への電話を片手に騒ぎ続けます。 ドアは、八つ当たりにしか思えないくらい、打楽器以上に叩かれ続ていて。  もう、ここから追い出されることでしょう。 でも、自らの中に不思議な熱があるのを感じます。 心と体の中に、灼熱が。


フィラデルフィアの夜に 57 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 452.0
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2025-07-06
コメント日時 2025-07-07
#現代詩
項目全期間(2025/12/05現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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エンタメ00
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 エンタメ00
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構成00
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閲覧指数:452.0
2025/12/05 18時26分34秒現在
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    作品に書かれた推薦文

フィラデルフィアの夜に 57 コメントセクション

コメント数(2)
メルモsアラガイs
メルモsアラガイs
作品へ
(2025-07-07)

針金をいじりまわしながら紙粘土でなんかわけのわからない人形を作らされたのは小学校上級生の頃かな?中学生でもあったような、忘れましたね。思いだせば、あ!フィギュア好きな僕としては挑めばよかったな、と思いますね。針金をこねくりまわして形作る。粘土細工はおもしろい、はずです。笑 でも、これほどめちゃくちゃな妄想で暴れまわるのを意識させられたら思い浮かべるのは映画『バーフライ』の主役ミッキーロークですね。脚本は作家で詩人としても有名なあのブコウスキーですよ。アルコール依存で、毎日場末の喧嘩に明け暮れる日々は彼の自伝的なドラマとしても語り継がれています。が、 この作品の舞台はフィラデルフィア。 フィラデルフィアといえば独立宣言。先日7月4日に独立記念日を迎えた米国のシンボル。リバティベル『自由の鐘』ですよね。 それがいまではどうでしょう。 連日のように報道されるなかでも最悪なのがケンジントン地区。ゾンビタウンと言われるくらい。薬物依存で動きを止めた人形がうろうろしてますよ。ずっっと何時間も。考えられますか?まさに針金に括られた人間状態。怖いものですね。 怖い。フエンタニル。薬物依存。 そのへんが妄想状態の動きとして表現されて読めてきますが、 これはべつに作者様が薬物依存であるかのか、ないのか、 そんなことはどっちるかよ!と、 ミッキーローク(ブコウスキー)は今日も暴れまわるのを止めません。 失礼しました。

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羽田恭
メルモsアラガイsさんへ
(2025-07-07)

フィラデルフィアシリーズの原型を書いたのが2013年位だったと思います。 当初は遺作という題で、その時から「フィラデルフィアの夜に針金が……」という始まりをしていますね。 更に言ってしまうとフィラデルフィア・ワイヤーマンと仮に言われている人物の作品群が連作を作るきっかけとなっています。 なのでフェンタニルとか全く関係ないのです。 今のフィラデルフィアの現状と結びつけるのも悪くありませんが。 映画『バークライ』も全く知りませんでした。 色々連想がつながるものですね。

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