マッチを噛み砕く音で目が覚める
喉の奥に詰まったアルファベットを吐き出すと
AからZまでが爪痕になって
天井をゆっくり漂う
遅刻する、遅刻する
夜ごと膨張する「月曜」は
内側でチリチリと鳴りながら
夢の輪郭を焼き
膝を抱えたまま自分の居場所を探している
朝になると
肩口から乾いた校庭の砂がこぼれ始め
教室では 椅子が全員こちらを向き
無言でまばたきをしている
誰にも呼ばれてもいないのに
返事をしてしまう
自分が
一番こわい
鉛筆は重く
天井を漂っていたアルファベットをならべても
答えに辿り着けない
机の裏で
生まれるはずのなかった文章が
小さく呼吸していて
それに気づけるのは
いくつもの沈黙をすり抜けて
わたしの影だけが融けていったとき
たったそれだけで
今日をこぼさず持ち帰れるなら
それを現実と呼んでもいいのかもしれない
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 479.5
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-06-02
コメント日時 2025-06-03
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:479.5
2025/12/05 16時10分48秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
不安。強迫観念。 サザエさんを見てて、もはや鬱。 私は月曜になると、 水銀体温計を机の上の電球で温めて、37.4℃くらいにしてズル休みしたり、 保健室で眠らせて貰ったりしてました。 >机の裏で >生まれるはずのなかった文章が >小さく呼吸していて >それに気づけるのは >いくつもの沈黙をすり抜けて >わたしの影だけが融けていったとき この部分は、とてもひっそりとしていますね。 痛いほどの孤独を感じます。 ほんの、ささやかなことで自分を保っていた時期が、私にもあります。 繊細で、こころの痛さが良く表現された詩だと思います。 ありがとうございます。
0コメントありがとうございます レモンさんの日曜日から月曜日までの気持ち、とてもよくわかります。 本当に孤独で苦しかった時期が、今は懐かしく、ようやく言葉で表せる余裕ができたので書きました。 >ほんの、ささやかなことで自分を保っていた時期が、私にもあります。 その頃は辛いながらも、自分を保とうと必死になりますよね。今考えれば、逃げてもよかったのにと思うけど、若かったのでしょうね。 今は無理です。
1