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うちの妻はひき肉料理がうまい
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でも自分の母のことを複雑に思っているらしい
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四十代なのに三十歳に見える
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痩せている
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(僕の腹はビールで出ている)
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沢山の秘密を書くことは面白いのか?
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露悪趣味、
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妻は悪人の内に入らない
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妻は眠っている
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ほんとうは妻より僕の方が眠っている筈なのに
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生活の不思議、
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メイカーズ・マーク・ウィスキーと煙草が頼り
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妻は何もやってない
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妻はいい女性だよ
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さいきん、葬式で弔辞を読んでいたし
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ひき肉料理がうまい
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やっぱり薬を沢山飲んでいる
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僕は可哀想に思ってしまう
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でもそのおかげで彼女はパーフェクトだ
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天使の加護を受けているし
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白髪一本ない
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それに
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仕事中に電話をかけてくることもない
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この詩のタイトルは「アバウト・ア・ガール」
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でも正直書き上げる自信がない
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秘密裏に書いている、土曜日になったところ、深夜
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僕の父は今
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寒い土地で電気保安の仕事をしているだろうか
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父と妻は仲が良い
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父が育てたサツマイモを妻がもらう約束をしている
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本人は観葉植物を三つ育てて水やりを欠かさない
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僕は妻と住んでいると
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書かなきゃいけないほど家庭って複雑化していますね
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戌年生まれ
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わかる気がする
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妻が死んだのなら
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僕も死ぬだろう
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彼女の為に生きているから
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こんな詩だって書いて
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僕の喜びはひき肉料理だ
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ハンバーグだ
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問題のハンバーグだ
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この前「正しいハンバーグ」が食卓に並んだ
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今まではなんだったのだ
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彼女と暮らして五年
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今までのハンバーグは何だったのだ
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と
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こんな詩を書いたら叱られてしまいそうで
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加えて僕より創造性に富み
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うちの妻は詩人だ
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僕は妻という詩人のおまけだ
作品データ
コメント数 : 13
P V 数 : 791.6
お気に入り数: 2
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-05-17
コメント日時 2025-05-19
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
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| 技巧 | 0 | 0 |
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| 総合ポイント | 0 | 0 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:791.6
2025/12/05 18時35分42秒現在
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グランジ世代の僕としては思い入れのある題名ですねー僕にも妻はおるのですが一番近い他人であって一番の理解者、いまは同志って感じですが…僕は何度か自分の詩を妻に見せたことがあるのですが怒られましたねw正義感倫理観が強いですねー(実は匿名さんは僕の昔から知ってる人物なのかなーと思ったのですが結婚して五年じゃないので別人だったよーです)嗚呼とても好きな詩ですよ、これはいい!(自分には到底書けないもの)
21行ずつの詩のリズムが心地良く、洗練された〈大人の生活〉をそっと覗き見た感じがしました。
1ひき肉料理、良いですね。 安くて、料理しやすくて、美味しいひき肉は、主婦の味方です。 奥さまのことを淡々と書かれておられるので、読む者の(私の)感情のブレ幅は少なかったのですが、 時折、外部に向けて語られることが切実に思われます。 下衆の勘繰りと切り捨てていただいて結構なのですが、 お父さまと奥さまは、男女の深い仲ではないのかな?という気がしました。 「正しいハンバーグ」と今までのハンバーグの違いは分からないのですが、 作者さんが、今までの(正しくない)ハンバーグに、本気で怒ってることは、伝わって参ります。 ひき肉。何のお肉か分からないお肉。 そう考えると、とても不気味で、怖い作品だな、と思いました。 ありがとうございます。
1補足。妻をガールと呼ぶこと自体が蔑称なのですね。納得しました。
0こんばんは。グランジ世代ではないのですが、ニルヴァーナのティーン・スピリットのギクシャクとしたコード進行は、幼少期に聞いていたのか、十四歳くらいに「ネヴァーマインド」のCDを買ったときには「これ、聞いたことある!」ってビビッと反応しましたね。「アバウト・ア・ガール」は特に思い入れはないのですが、最近YOUTUBEで「アンプラグド」を観て「アバウト・ア・ガール、いいじゃん」と思ったので、タイトルにしました。 レタスさんへの返信になりますが、妻をガールと呼ぶのは別段蔑称ではありません(焦)。 そうですね、自分の生活を基本として私は詩を書くのですけれど、妻のことを書くのは 正直チャレンジでしたね。もっと甘く、もできたと思うのでそこは反省ですね。 何分、照れ屋なもので。
0レタスでなくレモンです。 そうですか。 何分、解説通りに受け取り、 ガール→ティーンエイジャー ウーマン→未婚の女性 レディ→既婚の女性 という呼び方を、鵜呑みにしておりました。 失礼いたしました。
0わたくし事で恐縮ではありますが、 レモンをレタスと間違えられたこと、 故意でないのなら、 訂正をお願いいたします。 先日の一件よりナーバスになっております。 どうか、お察し下さい。
0明日まで待ちます。 レモンをレタスと呼称したこと、 訂正のほど、宜しくお願い申し上げます。
0あっ、すいません、上記の件、ここに訂正させていただきます。すいませんでした!
0ありがとうございます。
0「妻はいい女性だよ」とか「妻が死んだのなら 僕も死ぬだろう」とか、どこまで筆者さんが作為的になって書いたのかが気になりました。純真無垢な自分を客体化して、それを操り人形のように使っている、そんな冷めきった人格がひそんでいるような気もしました。女性からの感想が聞きたくなる作品です。
0読めてよかったです。 2番にしか出てこない、母の存在が詩の出発点になっている気がしました。パーフェクトだけれども、という。 一行ずつ区切る書き方は臆病な僕にはできません。なんだか一行一行が特に際立つように見えて。改行とかでごまかせないですしね。 最後の二連は特にお気に入りです。必ずしも詩人自身が言葉を紡ぐわけではありませんね。
0妻が詩人と言う内容が詩の最後らへんにやって来て、案外、僕は詩人の妻のおまけだと言う事が結論なのかもしれません。(最終行に出て来る内容なので)。ハンバーグやひき肉は何か空疎な内容のようでいて、この詩の構成ボキャブラリーとしては、確かな位置を得ていると思いました。
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