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風邪の身でどうせ憂き世のひと踊り
タイトル、掲句は冬の季語の「風邪」と夏の季語「踊り」が並列して使用されている。 「夏風邪」としたいが、私のひいた風邪は別段腹を下して、というものでもないから、ここは掲句通り「風邪の身で」としたい。どうせ憂き世のひと踊り、がでたらめである。 なにか没した私小説家、西村賢太氏の作に似たようなタイトルがあったと思うが、私の眼前には大角修・監修「現代語訳 法華経」があったのである。 そのイントロダクションに、清少納言のこんな歌が添えられていたのであった。 もとめてもかかる蓮(はちす)の露おきて憂き世にまたは帰るものかは 私は4月26日が誕生日だったのだが、それまで「現代語訳法華経」に向き合っていたのは、義理の祖母が亡くなったこともあり、祖母は法華宗であったから、是非、この機会に法華経に触れておきたかった。 それで先の清少納言の歌ではないが、いつまでも焼香や花の香りや、法華経に説かれる、悪人成仏、女人成仏の可能性、もっと言えば、万人救済の可能性に胸を熱くさせているだけでいられる筈はなく、普段の生活がある。菩提寺からは、いつかは帰ってこなければならない。 そうしたら一気に体調を崩し、風邪をひいた。 それまで、ずっと元々患っている精神病の影響で体調が悪いと思っていたが、試しに、体温計で体温を計測してみると、37度5分あった。 遅かった。 気づいたときには水のような鼻水が止まらない、口中全体が赤くなっている、めまいがする、と散々だったのだが、祝日「昭和の日」であって、近くのいつもお世話になっている内科の病院は休診だった。仕方なく、ゼーゼー言いながら原付を飛ばして、市の救急医療センターにかかった。 「ずうっと、精神病が悪さしてると思ったんですよ、それで熱を測ったら発熱があって」 先生は、私のお薬手帳を眺めながら 「この病気は長いでしょう?普通の人がこんだけ薬飲んでたらみんなぶっ倒れちゃう」 救急医療センターでは一日分しか薬を処方して貰えない。次の日に、いつもお世話になっている内科に行くと 「花粉症も気にされているようですが、まずはこの風邪を、ただの風邪ですけれどね、それをなんとかするべきですよ、ゴールデンウィーク中ゆったりしていれば大丈夫ですよ」 言葉の軽さの割に薬は大量処方だった。 8種類、薬を出された。 三日経った今も、体温はずっと37度周辺から下がらない。 迷いがあるからこそ安らぎがある。それを煩悩即菩提(煩悩がさとり)といい、日本仏教の大きな柱になる。(大角修「法華経」174ページ) さて、くわばら、くわばら、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と念仏しようが、法華経を大事に扱おうが、それも煩悩即菩提である。 鎌倉仏教は帰依対象に対し、選択的であったが、日本の仏教界には、もともと、もっともっと大らかに、仏教の名のもと、朝は法華経を論じ、夕べは念仏して過ごしていた時期だってあったのだ。 さて、薬は揃った。あとは今日一晩眠り、明日、仕事に行けるのかどうかである。救急の先生に薬が多い、と言われて、試しに睡眠薬を分けて飲んで眠ろうとしたら、すぐに悪夢を観た。たった一晩きりだったが、睡眠薬はしっかり飲もうと思い直した。私は根性無しなのである。 病は気から。と云う。その気が違っていたりするから、私は困る。ついに頓服の、ロキソプロフェンを服用して、こんな雑文だって書いた。
風邪の身でどうせ憂き世のひと踊り ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 584.5
お気に入り数: 0
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2025-05-01
コメント日時 2025-05-07
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


注・踊りは夏の季語ではなく、初秋の季語だったと今ながら気づいた。もう遅い。ごめん。
0初めまして、ですね。 タイトルは俳句なのですね。 私もこの頃、ナンチャッテ俳句やナンチャッテ短歌を楽しんでます。 お薬、たくさん飲まれておられるのですね。 私は、自分の身体で実験し、効く必要だと思った薬以外は飲んでいません。 頓服は、レキソタン。 1日3錠までなのですが、時には多く飲みます。 睡眠薬は欠かしません。 法華経ですか。 私、元創価学会です。 南無妙法蓮華経 と唱えるのは良いですよ。 とても強い御題目なので、エネルギーが充ちて、いのちがどんどん涌いてきます。 御題目は最低三唱で大丈夫です。 よろしければ、試してみて下さいね。 風邪は昔ながらの方法で治すことがいちばんです。 お粥や雑炊など、温かく消化の良いものを、きちんと摂取し、 汗を大量にかけば、 1日で、熱は下がりますよ。 心身ともにご自愛下さい。 ありがとうございます。
1西村賢太氏、惜しい人をなくしたなあー友人にはなりたくはないけど、その姿勢はすごいものがあった。抹茶くさいのが気になるし、消毒液くさいのも気になるし、(僕がいうのもお門違いだけど)(僕は信教徹底出来ぬ故に文藝なんぞやってるわけで)こころ寛解はないのだから、自分で自分と辻褄を合わせながら上手くやっていきましょうや…
1風邪は油断ならないですね。 一度かかるとその苦しさと熱っぽさはとてもじゃないけど気だるさと共に体を投げ出したくなる。 お大事になさってください。
1病は気から。と云う。その気が違っていたりするから、私は困る。 ぼくも双極性障害です。
1風邪を引いたら食事を減らし、消化に回すエネルギーを風邪と闘うエネルギーに回します。バナナと水だけの生活を3日ぐらい送ると徐々に熱は引いてきます。寝込んで熱が上がりピークまでいくと下がっていきますが、この熱出しは癌細胞を死滅させる力があり、毒出しにもなると言われています。現代人の多くは善玉菌が多く、悪玉菌とのバランスが取れていないため、病に罹りやすいという説を唱えている人もいます。土をいじったりして汚いものを触ったり、野菜だけでなくお肉を積極的に摂取する。最初は多少苦しい思いもするかも知れませんが、徐々に悪玉菌が程よく増えることで体が丈夫になるとのことです。アトピーの人は善玉菌が多すぎるみたいですね。 仏教で解く寛容の精神は、不浄の世界で生きる優しさを持ち、西洋的な潔癖思想とは相入れないと思ったのですが、それすらも飲み込むのが仏なのかも知れませんね。薬は自浄作用を弱め、依存的になりやすい。石鹸も使われている界面活性剤は、皮膚の表面にあるバリアを壊すぐらいの破壊力ですから、ウイルスへの抵抗を弱めてしまうそうです。 西洋的な者は拒否することも出来ないままに、我々の生活に入り込んできますが、これが本当の日本が戦争に負けたということなのかも知れません。
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