あの子はどこを切っても女の子で、小さなキラキラを大事にしていた。キラキラが何か私にはわからなかったし、あの子も知る由もなく、アイスコーヒーに二個ガムシロップを入れていた。今日も人類は愚かだ、そしてかわいい。ないものねだりをしないというないものねだり。もう戻れない。蛙化したシナプス。命を落とす危険性はみなに平等で、綱渡りばかり得意になっていく。愛情の排泄行為。掃いて捨てるほどに呪いはハイテクノロジー。何にでも神様とあの子は呼んだ。ありがとうの代わりなんだって。あの子がいなくなって、私にはあの子の代わりになれないと知った……という設定の想像を何度となく繰り返して、私にはあの子の代わりになれないと知る。満ちる。未知のもので満ちる。未来永劫満ちている未来。人類は愚かだ、そしてかわいい。乾いたビート板に濡れた髪から滴る水が点々と模様を作る。水泳の授業を休んだ日のことを思い出している。あの子と出会う前の話なのに。今思い返してもそばにいる気がしている。泣かないでって言ってあの子は泣いて、空ばかり青く透き通る。帰りに久しぶりに買ったタバコ。もう吸えなくなっていた。喧嘩別れした恋人の家に置いていった本、二度と読めなくなっちゃった。あの子の言う神様に会いたくなるなんて人類は愚かだ、そしてかわいい。
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 883.7
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-04-06
コメント日時 2025-04-14
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:883.7
2025/12/05 18時30分00秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
そうですね… 「あの子」を、どう受け取るかだと思います。 中盤までの「あの子」は生きているのですが、終盤の「あの子」は死んでいる印象です。 タイミング良く挟まれる >人類は愚かだ、そしてかわいい。 走り書きの前作から肉付けされて、 このことば自体が深く響きます。 慈しみと共に、悲喜交々を感じます。 ご自分に言ってるようでありながら、 それこそ「人類」への「赦し」。 「かわいい。」で、おおらかさがあります。 短時間でこの詩を書かれたのであれば見事です。 良い詩だと思います。 ありがとうございます。
1これ、すきです。可愛いくて。
1ありがとう。かわいいね。
0レモンさん、ありがとう。 1作目からつなげて読んでもらえてうれしい。 あの子はどこかの誰かかもしれないし、どこの誰でもないかもしれない。
1あの子はわたし?
1それはそうかも。
0