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鳴らない鈴
雪国で生きている 雪の積もる音は しんしん じゃなくて ぱさぱさ であることを 私は知っている 外気を含んだ色 薄灰 真っ白なんて嘘だ 思った以上に 混じっていて 汚れてる 歩いても歩いても 振り返れば白紙 呼気 足音 衣擦れ 無音 鼓膜が破れそう 知らない家に見知った人々 席は合数 ワインのボトルはからっぽ ねえ 薄衣の凍える女の子 君にはそのマッチで 家に火をつける権利があった 全てを奪う権利があった ねえ 世界で一番優しい女の子 もう帰ろうか 手を繋ごう あかぎれとあかぎれを合わせて 指の隙間から零れる 手放せなかった祈りさえ 拾い上げず 振り返らず そのままで 雪道を歩くのはもうやめた 悲劇も喜劇もこの街にはなかったのだから
鳴らない鈴 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 897.0
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-10
コメント日時 2024-07-08
項目 | 全期間(2024/12/13現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
美しいさみしさとやさしさに包まれた、良い詩で、すごく好きです。
1鳴らない鈴は、また、鳴らせない鈴でもある。 閉塞した今の社会を考えた。
0私も雪国育ちです。最初の三連の現場感は、とても分かります。安直かもしれませんが、時間が経つとその細微の感覚が失われて、雪を「しんしん」やら「真っ白」と後から思ってしまうのでしょう。でもこの詩では最後、もう振り返らないとして雪国の「ぱさぱさ」、「薄灰」をそのままにしようとしているみたいです。
0手を繋ごうと言う話者の手も、あかぎれだというところが、救いなのか、それとも絶望なのか、しばらく分からないでいます。
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