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黙々と   

作成日時 2017-12-05
コメント日時 2017-12-16

ひと針貫いて 糸を引っぱる 折り返し 繰り返し いつまでも ほつれ くずれ ちぎれ ないように 糸を引っぱる力が 強くなる 絡まりから 断ち切ることに 怯えて 針が湿っていく こんなもの 糸も簡単と 笑う声を 縫い留めて 逃げ出したい 放り投げたい を 縫い留めて 願いも祈りも 黙って座って ひと針を 見つめている 小さな結びを こしらえて 一息ついた 一生懸命の もろさ と 堅さが 同じ顔して 並んでいた


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コメント数(11)
花緒 (2017-12-06):

最終連がいいですね。糸、というワンテーマの描写でしっかり纏め上げるのは、さすがだなと思いました。とりあえず、一旦上げさせていただきます。

̶み̶う̶ら̶か̶じ̶つ̶ (2017-12-07):

投稿ありがとうございます。感情をコントロール出来ていなければ、なかなか集中力が必要な作業を続けることは出来ないわけで、感情をコントロールする行為が「黙々と」というタイトルとして表しており、さらに、感情が「怯え」「笑う」「逃げ」となり、そして、「願い」「祈り」と変化する。その変化をひと針の動きの表情として出ている。とっても静かな作品だなあと思いました。タイトルが「黙々と」あれば内容が沈黙と静謐なものであることは真っ当なことで、感情の動きを針を縫う表情を比喩として用いる。心理描写が上手いと感じました。しかし、逆にそれが詩のセオリー通りのようにも思えてしまいました。夏生さんのスタイルでもあるのかもしれませんが、なんといいますか、私はどちらかと言いますと、夏生さんの作品スタイルは好きです。が、しかし、上手く言えないのですが、ぶっ飛んだ夏生作品をみたい気持ちもあります。私はいつもぶっ飛び過ぎで失敗していますが、少し踏み込んだコメントを入れさせていただきました。次回作を楽しみにしております。

杜 琴乃 (2017-12-07):

丁寧にひと針ひと針刺してゆく、手縫いの描写が素敵です。 その昔、娘のスタイを改造して、綿レースとひらがなアップリケを縫いつけ、子育てセンターへ連れて行く際の名札を作ったことを思い出しました。ミシンが無かったので手縫いで作ったのですが、子供が寝ている間に黙々と進めたものです。それはとても静かで穏やかなひと時でした。長い糸は何度も絡まり途中で挫折しそうでしたが、完成したものを眺めたときの達成感は心地よかったです。 ものづくり、とはこの詩に書かれているとおりだと思いました。工業用ミシンの生産性には劣るけれど、手縫いのひと針には確かな思いがこめられている。 その丁寧な仕事ぶりが「小さな結びを/こしらえて/一息ついた」ここに集約されている気がしてとても好きです。

夏生 (2017-12-07):

花緒さん いつも的確なコメントをくださり、ありがとうございます! 最終連を好んで頂けて、とてもうれしく思いました。 三浦果実さん 細部までお読みくださり、ありがとうございます。ぶっとんだ作品も書けたら面白いだろうなぁと思っています。難しくて、なかなか書けませんが。        いろいろな表現、描写が描けたらと。 cotono さん はじめまして! コメントくださり、ありがとうございます! お嬢様に可愛らしい名札をお作りになったとか。素敵ですね。私など縫いものの詩を書きましたが、実際は、なみ縫いと、ボタン付と靴下の穴埋めで精いっぱいです…。この詩がお気に召したご様子、とてもうれしく思いました。        

まりも (2017-12-09):

律動感と申しましょうか、言葉の流れていく速度やリズムに、動きを感じました。時計を刻んでいくような、アンダンテの速度で、語尾に軽めのスタッカートを置いて、着実に進んでいくような印象。 音感や音楽性にも心を配った作品だと思いました。

夏生 (2017-12-09):

まりもさん、いつもコメントくださり、ありがとうございます! 動き、速度、など意識して書いたので、そこにご注目頂けて、とてもうれしく思いました。

静かな視界 (2017-12-09):

こんなもの 糸も簡単と 笑う声を 縫い留めて 逃げ出したい 放り投げたい を 縫い留めて 願いも祈りも 黙って座って ひと針を 見つめている 小さな結びを こしらえて 一息ついた 一生懸命の もろさ と 堅さが 同じ顔して 並んでいた ここらへん、つまり後半にかけての畳みかけが良いです。

夏生 (2017-12-12):

静かな視界さん  細部までお読みくださいまして、ありがとうございます。後半は悩んだところでしたので、とてもうれしいお言葉でした。

ふじりゅう (2017-12-12):

拝見しました。 「糸」がテーマの一つとなっていますが、糸がただ一つの事象に対しての表現を頑なに示しているのに対し、縫うという行為に対しては様々な意味を含ませているように思われました。 まず一つは、一生懸命というあるものへの向き合い方を表していると感じます。それは最終連でも示されている他、恐らく「針」というものを、実直に取り組む姿勢という風に書いている所からそう感じました。 もう一つは、迷いですかね。周りからの風評や、辛さや苦しさというものを押さえつけながらも、「湿」るという表現で「縫う」ことの迷いを表しています。 最終連は印象的です。やり切ったことへの達成感というものを最後に持ってこないで、最後の最後で俯瞰的な視点からその結果を冷静に告げ、私をはっとさせました。 見事な詩だと思います。糸という開始地点から、その終着点まできっちりと纏まったテーマで締めている事に美を感じましたし、主人公の心情描写が上手く作品とマッチしていると感じました。

夏生 (2017-12-12):

ふじりゅう さん はじめまして!コメントくださり、ありがとうございます。的確で丁寧な分析、感想くださり、とてもありがたく、うれしく思いました。

百均@B-REVIEW ON/ (2017-12-16):

>糸も簡単と 簡単じゃないですよね。本当は。そういう事を思いました。コメント欄がまぶしいので、思った事一言書かせていただきました。

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