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宇宙の底で   

作成日時 2017-12-01
コメント日時 2017-12-31

京都旅行の土産だと たなごころに すっぽりと納まる ひょうたん形の瓶に入った 金平糖を手渡された 子供の頃に見た小正月飾りの 繭玉のような優しい白の中に 赤や黄や青が幾粒か混じり その具合が愛らしく目に楽しい 帰りはコートのポケットに入れて 電車の中で瓶の縁を指でなぞると この電車で金平糖を持っているのは きっと自分だけに違いないと 馬鹿げたことを思い 一人可笑しくなる 今日は やけに陽気じゃないかと 久しぶりに腹の底からそう思った 部屋のパソコンを立ち上げ ひょうたん瓶を これも人からもらった 沖縄の星の砂が入った小瓶の横に並べてみる いくつかの色粒を小瓶の中に入れてみれば 手の平の上で小さな太陽系が さらさらと微かな音を立てている ひとしきり ためつすがめつしてから 雨降る惑星の青を口の中に放り込めば ころころ ころころ 溶けていく こんなにも甘いものだったかと しばしブラックホールの心持ちに なってみたりもするのである


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2019/09/16 05時31分20秒現在
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コメント数(14)
くつずり ゆう (2017-12-01):

ウエキさま はじめまして。 あ、いいな すごくいいな と感じました。 詩の前と後の主人公の生活をもっと覗いてみたいな、まわりにはどんな人人がいるのかな、 と想像がふくらみます。

ウエキ (2017-12-01):

くつずり ゆう様、コメントありがとうございます。 今日のニュースで「インスタ映え」が流行語大賞に選ばれたそうですね。 どう切り取るかも大事だと思いますが、フレームの外側の描かれていない所に興味を抱いて頂いた点、作者として非常に嬉しく思っております。

森田拓也 (2017-12-02):

おはようございます。 とても心が和む、優しい詩ですね。 小宇宙に包み込まれるような包容力のある詩ですね。 主人公の描かれ方も、また大きな優しさで表現されていて、 いつまでもこの詩世界に浸っていたいと思う詩でした。

ウエキ (2017-12-02):

森田拓也様、コメントありがとうございます。 心が和むとの感想を頂き、作り手として嬉しく思います。

まりも (2017-12-05):

「手の平の上で小さな太陽系が さらさらと微かな音を立てている」 「雨降る惑星の青を口の中に放り込めば」 創造力が、ごくありきたりのものだらけの、ありふれた日常を、一瞬で輝くものに変える。 クリスマスツリーのライトアップのような、スイッチの入る瞬間が、この比喩の部分にあると思いました。

ウエキ (2017-12-06):

まりも様、コメントありがとうございます。 呼吸していることを意識するように、目の前の日常をとらえられればと思います。 最近は「インスタ映え」の風潮がありますが、創造においては「眼に焼き付ける」ことが大事だと考えています。

仲程 (2017-12-07):

前半、勝手に現代の梶井基次郎の檸檬だ、と感じて、金平糖爆弾をどこに仕掛けるんだろう、期待してしまいました。 それにしても 雨降る惑星の青 絶妙なフレーズですね。

ウエキ (2017-12-17):

拙作を評じるにあたり、梶井基次郎を例えに挙げていただき非常に光栄です。 金平糖爆弾と云うイメージも面白いですね。 *コメントへの返信、遅くなりすいません。

百均@B-REVIEW ON/ (2017-12-19):

極大と極小のイメージ。宇宙と瓶、星と金平糖。電車もまた一つの宇宙で、電車の中の人間も星。その中に自分だけが宇宙を持っているという。曼荼羅から、更に、口の中をブラックホールにしてしまう。 >部屋のパソコンを立ち上げ >ひょうたん瓶を >これも人からもらった >沖縄の星の砂が入った小瓶の横に並べてみる でももっと凄いのがこれですね。なんでぶっ込んだんだっていう話がさらっとある。ひょうたんと、沖縄の星の砂の瓶も並べるこの感じが、さらなる広がりを感じさせてくれる。なくても成立する話だと思いますが、これがないといけない。という事をなぜか思いました。ああ、すさまじい。

ウエキ (2017-12-27):

百均さま、コメントいただき有難うございます。 虚構であれ現実であれ、日常を描くと云うのは難しいと感じます。 拙作も事件とかドラマなど無く、ただ〈淡々〉とあることが書けていればいいのですが……。

アラメルモ (2017-12-27):

これは推敲されて連を入れ替えたほうが僕は好きだな。 冒頭の連なんか最後に持ってくればもっと詩情を立ち上がると思うのだけどね。まあ、僕の好みですが。

ウエキ (2017-12-30):

アラメルモ様、コメントいただき有難うございます。 読み方はご自由にお楽しみ下さいね。

芦野 夕狩 (2017-12-30):

ウエキさん 初めまして 丁寧に描かれているのでとても読みやすかったです。 作者様が意図するところ、(これは僕の想像ですが てのひらの中にある小さな世界と、宇宙に例えられるような大きな世界の対比(百均さんがもうすでに指摘されておりますね とても読みやすかったです。 でもどちらかというと僕が好みだったのは   この電車で金平糖を持っているのは   きっと自分だけに違いないと こういう、必ずしも作者がいちばんに意図したわけではないだろうと思われる、 ちょっとした、生活の一場面だったりします 失礼しました 芦野

ウエキ (2017-12-31):

芦野 夕狩様、コメントいただき有難うございます。 生活の中でハッとする瞬間があるもので、そこを上手く捉えることができれば良いと思います。

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