かつて
土に還ることを恐れぬただの生き物だったはずが
いつしか瞳に映る自分を「人」と呼びはじめた
彼らは言う
理性こそ戴である、と
文明こそ楽園である、と
しかし眼は
他の命を「保護管理」と記し
自影すら「最適化」と称し、削ぎ落とす
彼らの歩むところ
草は地にしなだれ
水は番号を与えられ
風でさえ「誤差」として訂正される
これは病だ
寛解を知らず
熱に茹だるほど
刺欲に身を委ねるほど
染み込んでいく
天に手を伸ばしたその掌は
もはや祈りではなく
占有の印を刻むための器官となり
彼らは耳を塞ぎ
人間であることを麻酔とし
「人間病」という甘い毒を喘ぎ続ける
陰圧の洞窟へと閉じこもる
夜が来る
地球は何も語らず
ただ回転し続ける
この尊大な小さな空洞を乗せたまま
作品データ
コメント数 : 15
P V 数 : 973.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2026-01-08
コメント日時 2026-01-17
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2026/01/28現在) | 投稿後10日間 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:973.2
2026/01/28 18時53分04秒現在
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こんにちは。 文明化社会の人間の傲慢さが上手いこと書かれていると思います。 >人間であることを麻酔とし >「人間病」という甘い毒を喘ぎ続ける この部分、良いですね。 人間であることが病気だと良く分かります。 こんなに他の生き物を無視して、 私はその内、地球に逆襲されるのではないか?と思いますが。
1かなりの反近代の気概がこもった詩
1選語のレベルが嵩い。そこはいい。
1感想ありがとうございます。 挙げてくださった部分は、人間であることが安心や正しさの根拠になってしまう危うさを意識して書きました。 地球からの「逆襲」があるかどうかは分かりませんが少なくとも人間が自分を中心だと思い込む姿は、かなり歪んで見える気がしています。 そうした違和感を共有していただけて嬉しいです。 また読んでいただけたら幸いです。
1感想ありがとうございます。 近代そのものを否定したいというより、 「正しさ」や「進歩」が自明のものとして扱われていることへの違和感を書いた詩でした。 もしかすると、私たち人間の「正しい姿」は反近代的と呼ばれるような原始のあり方に近いのかもしれませんね。 また読んでいただけたら幸いです。
0感想ありがとうございます。 語の重さや冷たさが伝わるよう意識していたので、その点を拾っていただけて励みになります。 また読んでいただけたら幸いです。
0進歩主義の危うさをうまく書いていて、小林秀雄の進歩史観に対する批判と似たものを感じました。非常に鋭い知性を感じました。
1作品内での理屈がしっかりと練られていたため、迷子にならず最後まで読めました!タイトルが人間病ではなく流行病なところに、人間病自体がいつかは収束するかもしれない病だという風にわたしは読みました。読ませていただきありがとうございました。
1地球ではなく 人間そのものを 小さな空洞と評したところに 底力を感じます。
1感想ありがとうございます。 返信遅れてすみません。 進歩主義そのものを否定したいというより、進歩が疑われることなく善として受け入れられている空気感に違和感を覚え、それを書いた詩でした。 小林秀雄の進歩史観批判に重ねて読んでいただけたこと、光栄に思います。 また読んでいただけたら幸いです。
1感想ありがとうございます。 返信遅れてすみません。 理屈の流れを追って最後まで読んでいただけたこと、何より嬉しく思います。 「流行病」という題からそのように読み取っていただけたのも、作品の射程を広げていただいたようでありがたいです。 丁寧に読んでくださり、感謝します。 また読んでいただけたら幸いです。
0感想ありがとうございます。 返信遅れてすみません。 視線を地球規模に拡張するよりも、人間そのものの内側にある空洞を描くことで、根の部分に触れられればと思っていました。 そこに力を感じていただけたなら、とても励みになります。 また読んでいただけたら幸いです。 また、上記「ハツ」様への返信ができていません申し訳ない。
1彼ら、彼らと書かれていますが、彼ら=自分のことですよね。 どうも、彼らとは自分である、という視点が書かれていない ようにわたしには見受けられます。 人工衛星か、お月様からみた地球人類という感じで自分の立 ち位置は特権的にみえます。 でもそういう彼らの住む世界で、そういう彼らのひとりとして 日々生活して悩んだり怒ったり腹をすかしたりしているのが わたしたちです。詩とは本来そういう"彼ら"の心の叫びだった のじゃないですか。彼ら=自分であるわたしを棚上げした特権 的な立ち位置からの観察報告はたしかにそのとおりです。 でも彼らはみなわかっているんじゃないでしょうかそんなことは。 でもどうしょうもない歴史の流れという か宿命というかそういうものに流されていることを不安に感 じ、どうすればいいかとあがいている。そういう不安やあが きの埒外にいて、たしかに事実かもしれないけど、そんなこ とを覚者のごとく書いて、いったい何がどうなるのか、詩を 書くものとして何がいいたいのか、わたしにはさっぱりわか らない。わかるのはこの作者がまだ一ミリだって生活を生き ていないことだけですね。本の世界で本の中の既存の理屈を 数式のように書きしたためている。で、本人は本を読んでい る人で本を閉じたあと、腹がへったりセックスに欲望したり 学校や会社でいじめにあったりいじめたりという実世界でさ まざまな喜怒哀楽にぶちあたっている。詩とはそういうもの を書くものだとわたしは思っていて、実感や手触りのない、 お偉い覚者の世界を黒髪さんのように述べて(実生活は悲惨 なのに)拍手喝采にうなづくような世界は、どうもそれは詩 として詩人として違うんじゃないでしょうか。わたしはそう 思いましたね。書き手はまだ一ミリだって生活していないし、 そこから出てくるほんとうの自分を一ミリだって表現してい ないと。なんというかな、コメントみても、ほんとみなさん 子どものまま無邪気に詩を書いているんだなあと感心しました。
1感想ありがとうございます。 なかなか手厳しく、読み応えのあるご指摘をいただきました。 「彼ら=自分」という等式をあえて露呈させなかった点、まさにご指摘の通りで、そこには意図的な距離の取り方がありました。 人工衛星的、あるいは月面視点、外宇宙的に見えたのだとすれば、それは逃避というより、自己を一度“外在化”しないと書けなかったというのが正直なところです。 腹が減り、欲望し、苛立ち、流されて生きている「彼ら」の只中にいるからこそ、逆にその渦中の声をそのまま叫ぶことができない瞬間もある。 覚者のように見えたなら、それは悟ったからではなく、悟れなさを整理するために理屈の仮面を被った結果かもしれません。 生活を生きていない、という断言も痛快です。 ただ生活をまだうまく生きられていない人間が生活について考えるために詩を書くという回り道もあっていいのでは、とも思っています。 本を閉じたあとに空腹を覚える人間が、その空腹をすぐ書かずに、まず世界の構造を疑ってしまう…その不器用さ自体が、今の自分の実感です。 詩は叫びであるというお考えには深く共感できます。同時に、叫び損ねた沈黙や、叫ぶ前の道もまた詩に置いてみたかった。 その試みが鼻についたなら、それも含めてこの作品の現在地なのだと思います。 貴重なご意見ありがとうございます。 こうして真正面から隠さず端々の違和感を言葉にしていただけたこと自体とても刺激になりました。 また読んでいただけたら幸いです。
0https://note.com/ao10ji/n/n6d63022ab4ac
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