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つまらない   

作成日時 2019-04-15
コメント日時 2019-05-06

大きな窓に朝日が差し込む。たまに銀の手すりに光が反射して僕は目を細める。目線をあげると煙突からモクモク、シャッターを切ろうとするとのっぽな彼は姿を消していた。四角くて美しい彼は正しく堂々とそこにただ居るだけだった。余計な主張はせずゆらゆらとタバコをふかしながら僕を見下ろしていた。いつもそうだ、僕の事なんて見ていないくせに。優しく微笑むその瞳には僕は映っていないのに僕には君しか見えないのに。 僕は何処へ行くのだろう。僕は行きたかった、君と同じ場所へ、君の見ている風景を見たかった。願わくば君の隣で黄金色に輝くビールなんか傾けながら君のくだらないダジャレに「さっむっ」とか言いながら笑いたい。呆れるような、つまらなくて、優しい場所に居たかった。朝焼けの中ビルの隙間から射す光がホログラムのように輝くのは窓が汚れているからだったりする。僕は君のつまらないを愛していた。僕は君のつまらないところが許せなかった。僕は君の元へは行けない。


項目全期間(2019/07/20現在)投稿後10日間
叙情性31
前衛性00
可読性11
エンタメ20
技巧10
音韻00
構成10
総合ポイント82
 平均値  中央値 
叙情性1.51.5
前衛性00
可読性0.50.5
 エンタメ11
技巧0.50.5
音韻00
構成0.50.5
総合44
閲覧指数:815.6
2019/07/20 14時35分11秒現在
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コメント数(3)
ffff (2019-04-15):

3行目が好きです

ふじりゅう (2019-04-18):

拝見しました。 推敲前の作品(目覚めの悪い朝)よりも断然良いと思える作品です。前回は改行がなく、要所の表現が分かりづらいものでありましたが、今作はそこがバチッと決まっている。特に最後の >僕は君のつまらないところが許せなかった。 の書き足しは功を奏しています。この一文があるかないかで、続く >僕は君の元へは行けない。 への意味合いなどが変わってくる。そして君への負の感情を入れることで、イメージしやすくなっています。 改行も効果的かと。また前との比較になってしまいますが、前回は改行なしであった為途中で頭がごちゃごちゃしてしまう恐れがありました。しかし丁度いい部分で区切れたことで、場面転換したんだなと分かるようになっています。

芦野 夕狩 (2019-05-06):

こんばんははじめまして、 良い詩だと思ったのでライトレスさせてください >僕は何処へ行くのだろう。 からの感傷的な流れが、安っぽいように見えて、なんだろう、刺さる。 細かいことを言うとなれば >君の隣で黄金色に輝くビールなんか傾けながら こういうディティールへの目配せが、いわゆる「安っぽい」と呼ばれうる描写から離れて、作者が思い描いていることなのだな、と読み手に思わせる力を持たせているのではないかな、と思いました。 一昨日か昨日東京行ってたんですが、彼女ではない女の人とカラオケに行って、なんにも歌おうとしないから、あれ歌ってよ、くるりの東京といったら歌ってくれて。なんかその展開自分で言っててめちゃくちゃベタだな、って思うんですけど、なんか感動したんですよね。それってたぶん「安い」んだけど尊くて、そう、その感動と少し被ったところもあったりもして。 自分語り失礼しました。 あしや

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