サファイア色の瞳しか
持たない私は無垢でした
羽の裏を持たぬまま
清らなままで生まれ落ちた
私は実に無垢でした
その目に映る世界は
実に美しいものでありました
あの娘が送ったゼラニウム、添えられた詩は「大嫌い」
寄せ植えのロベリアが、揶揄して笑う柘榴の実
宝石を妬む黄色い毒ほど
蔑むは澄んだ瞳
螂の行進、蜘蛛の暗幕、犬鬼灯を頭に乗せて
帝はペテン師憐れな乞食、信者の節穴は地平線
ペルソナを付けた穢れ人ほど
欲しがるは純度の高いもの
日の盛る樹液、蜂蜜酒、おいでおいでと誘い込む
ジオラマのエデン囚われの月、枝垂れ桜の下で口付け
マスカレイドに酔うレンズほど
欲しがる白肌、肉の華
それでもこの目に映る世界は
実に美しいものでありました
底なし沼への合言葉
死んだ言霊に靡いて縋る
皮を剥くためのご機嫌取り
死んだ言霊に靡いて昇る
首に巻き付ける血塗れたリボン
死んだ言霊に靡いて結ぶ
乾いた口から忠誠の証
偽の笑顔に銭は手付かず
彩の庭には閑古鳥
入れる墨は最安値
それでもこの目に映る世界は
実に美しいものでありました
望まれるまま差し出して
標本箱に詰められる
望まれるまま差し出して
揶揄され羽を破られる
望まれるまま差し出して
好き放題に搾られる
望まれるまま差し出して
何も帰ってこないのに
望まれるまま差し出して
在らぬ希望に縋り付く
それでもこの目に映る世界は
実に美しいものでありました
サファイア色の瞳しか
持たない私は無垢でした
羽の裏を知らぬまま
醜いものに目を瞑り
清らに生きた私は
実に無垢でした
報われぬ世に絆された私は
実に愚かなものでありました
作品データ
コメント数 : 1
P V 数 : 101.9
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作成日時 2026-02-18
コメント日時 3 分前
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2026/02/19現在) |
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:101.9
2026/02/19 07時03分52秒現在
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モルフォの目に映った美しい世界は、 モルフォの姿そのものだったのだろう。自分を見ることが叶わないなんて、と哀れに思いました。 感嘆するそのひとの、心臓の鼓動のようなリズムが心地好かった。
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