買い物の途中、
国道に揃えられた革靴の、その不自然を眺めていると
鬼に連れて行かれたのだと、形而下の母は言う
大好きなハッピーターンを買ってもらえたわたしは、
にこやかにスーパーを出て、異様な光景に気付く
午後五時の空はまるで本で見た、鬼の形相で
瞬間、
楽しみだったおやつも
瞳から漏れ出る恐怖をも容易く握りつぶす
そんな赤黒い、夕景だった
すごい夕日ね
大して感慨もなさそうな声のはるか先に
かの鬼の行方を見つけてしまった
或いは
見つかってしまった、そんな気がして
母を置いて疾走した
走れど、
走れど、
迫り来るような赤
今日は眠りたくないと思った
夢に出そうな情景だから
息苦しさのなか、
何故怖いのか、
何に怯えているのか、走る。
待ちなさい!
聞き慣れた声が背後から聞こえて、
はっと振り向く
買い物袋を両の手に、走りにくいだろうに。
そういえばむかし、
陸上競技というスポーツをやっていたと聞いたことがある
近付いてくる母の顔は、なんだか空の色とおんなじで、
そのときわたしは何が一番怖いのかを、思い出した。
わたしは、玄関で靴を脱ぎ散らかし
もう一回怒られた
今日だけは靴を揃えておきたくなかったから
形而上にて
もう一回散らかした
部屋という部屋の遮光カーテンを閉め切り
寝室に鎮座するベッドの深く、深くへ潜りゆく
鬼に気付かれないように
夢に見付からないように
作品データ
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作成日時 3 時間前
コメント日時 3 時間前
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2026/02/05現在) |
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
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2026/02/05 06時39分15秒現在
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