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フェスが終わったあと、街は急に現実に戻る。 さっきまで音に包まれていた身体が、 取り残されたみたいに静かになる。 出会いは、特別な出来事じゃなかった。 同じステージを見て、同じタイミングで帰ろうとして、 気づいたら隣を歩いていただけだ。 話しかける理由も、話さない理由も、 どちらもないまま。 音楽の話をした。 好きな曲の話をして、 さっき聴いた音の余韻を、言葉にしないまま共有した。 名前を交換したのは、別れ際だった。 それから、何度か会った。 散歩とか、コンビニまでの遠回りとか、 特別じゃない時間ばかりだった。 話題はだいたい音楽で、 沈黙が続いても、気まずくならなかった。 好きかどうかは、正直よく分からなかった。 でも、彼女といるときの自分は、 無理に元気にならなくてよかった。 それが、何より楽だった。 恋をしている感覚よりも、 安心している感覚のほうが近かったと思う。 ある日、夜の帰り道で、彼女は唐突に言った。 「もし付き合ったら、たぶん疲れるよね」 冗談みたいに言ったけど、 それは本音だったと思う。 僕は否定もしなかったし、肯定もしなかった。 ただ、その言葉が妙にしっくりきてしまった。 それから、気づいたときには、 やり取りはほとんど残っていなかった。 思い出すとしたら、 たぶん音のほうが先だった。 フェスで聴いた曲を、今でもたまに流す。 彼女の顔より先に、 あの時間の空気を思い出す。 フェスが終わったあと、街は急に現実に戻る。 それでも、あの夜の余韻だけは、 まだ、どこかで鳴っている気がする。
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23:48 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 267.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2026-01-18
コメント日時 2026-01-18
| 項目 | 全期間(2026/01/25現在) |
|---|---|
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


大昔の話しだよ。 映画評論家の誰だったかな、当時人気のあった仏人俳優のアラン.ドロンとジャンポールベルモンドの二人を比較して、 ジャンポール.ベルモンドのほうを好む女性には警戒すべきだ。 なんてことを言ってたのを今でも覚えている。 つまり美男子のドロンよりも醜男である男性を好む女性はプライドが高くて鼻持ちならない。 そんなことを言いたかったようだ。美人タイプに多く見られるので、それはよくわかる気もする。 ベルモンドは日本人の俳優に当てはめれば故人になった火野正平タイプだろう。 反対にドロンタイプの美男子と言えばキムタクや福山雅治か。 どちらもストイックで神経質そうだ。 現在ではその両極タイプが顕著だね。 芸能人をはじめ一般人でもだるまガスタンクタイプの男性がモテるようだ。 (例えば、こっちのけんと、やバウンディタイプ) 昔から熊のような容姿をした男性は案外モテたものだ。しかも モテる奴は決まって女好きで、腰が軽くて、聴き手上手で、これが一番肝心なことだが、やさしい、ということ。 火野正平なんか醜男だが、モテた。 それは女性に対しては文句無しにやさしかったらしい。そのやさしさも、後々計算高い下心に裏打ちされたものだった。というのはその時点ではなかなか気に留めないようだ。 僕なんかもそうだが、ちょっと遊び人タイプに見えるイケメンタイプには警戒してなかなか心を許さない。特に美人タイプはそうだ。だからモテそうでも実は警戒されてモテない。それに、 美形タイプの女性には、自分は黙っていても男性から寄ってくる、というプライドが根にはあるので、彼氏にするには優越感が薄れてしまうのだ。 だからストイックでモテそうなイケメンよりも自分にはゾッコンやさしくしてくれる醜男タイプを受け入れてしまう。という 固定観念からくる安心感を持ってしまうのは、実は誤りでもあるのだが… ごめん。朦朧と眠たくなりました。続きはまた、
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