何時からだろうか、私はただ、このまっすぐな道を
今なお歩き続けている。
これは夢かもしれない、その発想が、私の手を引っ張りゆっくりと思索に沈めていく。
絶え間なく広がり続けるこの道、私はとっくの昔に歩き疲れたらしいが、止まることを惜しんだ。
止まればきっと、私は前進してゆくこの道の、迫りくる裏口からきっと滑り落ちてしまうだろうから。
根拠はない、ただ、そう感じる、それだけで私を歩き続けさせる理由には十分すぎるのだ。
絶え間なく前進する私には、二人ほど、時の止まった友達がいる、ぜひ紹介したい。
一人目の名前はS
シガナイ一人の学生である。
彼は頭は確か、ツバキでできていた。
彼はまじめな学生で、頭もよかった。常に本を持ち歩き、俎上の活字の中に何か大きな答えがあるかのように食い入り、毎日4.5冊の本を読み漁っていた。サロンに通い社交性を高め、その知識や社交性から誰もが、彼こそこのまっすぐな道の一番先を走るだろうと思っただろう。実際、彼は少し前まで先頭を歩いていた。しかしある時から彼はこの道の前提そのものを疑い始めた。今まで誰も考えもしなかった、いや、考えることを放棄した未知の定義、方程式、文法、結果的にそれを語り終えた後、なにかを察したように、艶やかであった彼の椿の花はぽとりと落ちた。その後彼は、呆気なくこの道から消えた。
二人目の名前はY
アルコールのせいでしなびたトマトが頭の役割を得ていた、酒飲みのろくでなしの会社員であった。
彼はSほど頭はよくなかったがきわめて愛想の奴で、常に顔には張り付いたような微笑が浮かんでいた。彼の歩調は極めて不規則で、隣に立つ人、隣人の過去、隣人の機嫌によってさまざまであった。しかしある時から、彼のトマトは途端にげっそりとし、栄養不足のように思えた。それもそのはず、彼の不規則な歩幅のせいで、トマトなのに彼はどこにも根を下ろせずにいた。そのまま彼も進みゆく道の闇の中に消えていった。
以上が私の消えてしまった、時の止まった友達たちだ。
友達たちの時は止まったが、私の時は止まらず前進し続けている。
この先に何があるかなんて、わかるわけがないじゃないか。
もしかしたらこの先は針地獄で、盲目的に進む私を串刺しにするかもしれない、炎にまみれた落とし穴に落とされて焼き殺されるかもしれない。いづれにしても、私は進むしかなかった。
あぁ、今日もまっすぐな道ばかりで寂しい。
作品データ
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作成日時 2025-12-21
コメント日時 2025-12-21
#現代詩
#縦書き
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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2026/01/14 20時36分35秒現在
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先の見えない中歩き続けるしかないむなしさなどははありますが、それでも結局進むしかないものですね。人生観としてはよくわかる内容でした。ありがとうございます。
0素晴らしいですね。 勉強させて頂きました。
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