フィラデルフィアの夜に 61 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

わたしがいのることは

とても重い

みんな経験したことがあるであろう、とても重い"ちょっと"が詰まっている。

錠9

生きる

声なき声を拾いたいと思ったことはあるか

わたしは、ある。 あなたの胸を叩き 何故なのかと問いただしたい そう呼び止められた時 わたしは何と答えられるだろうか。 静かにだが確かにこの詩からは 張りつめた足音が聴こえる

ぼんじゅーる

天皇陛下万歳

知的破産者及び愚昧界の金字塔

平成天皇と存命中に呼び不敬を極め、大正・令和を外す選別賛美。明治から平成まで乱暴に万歳する時代錯誤と挑発精神が光る奇作。

大人用おむつの中で

好きです。

切れのいい、知性あふれる現代詩だと思いました。

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。

硬派な作品

萩原朔太郎や中原中也のエッセンスを感じます。

千治

体験記『呆気ない宣告』

それはあなたの現実かもしれない。

大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

ほば

世界は自由だ━不死━

わかるということ

あなたにとっては何が、その理解が起きるピースになるだろうか?

ほば

ふたつの鐘がなるころは

鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

運営在任中に出会った多くの作品の中のベスト。決して忘れない。

yasu.na

良い

シンプルに好き

あっす

パパの日曜日

パパの日曜日

いい

明林

終着点

生きる、その先に死地はない!

美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

yasu.na

九月の終わりを生きる

呼び覚ます声

夏の名残の暑さが去ろうとする頃、九月の終わりになると必ずこの作品のことを思い出す。

afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

るる

詩人の生きざま

言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

正直意味は判然としない。 だが、じんわりあぶり出される情景は、良い! 言葉に酔おう!

羽田恭

誰かがドアをノックしたから

久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

この作品、私はとても良いと思うんだけど、まさかの無反応で勿体ない。文にスピードとパワーがある。押してくる感じが良いね。そしてコミカル。面白いってそうそう出来ないじゃん。この画面見てるおまえとか、そこんとこ足りないから読んどけ。

カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

これ大好き♡

読み込むと味が出ます。素晴らしいと思います。

きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)



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フィラデルフィアの夜に 61    

フィラデルフィアの夜に、針金が被ります。  少しの月明りだけが照る、夜。廃屋。 朽ち始めた廃墟に、四人の影が入り込む。 窓を割り、そこから入り込んだ。 棚を漁り、物をひっくり返す。 金が、宝石が、何かないか。 荒々しい音と声が、静寂だった部屋に木霊した。  歓声があがる。 一人が、見つけた箱。 ライトに照らすと、美しい小箱。 黒光りする、金と七色で装飾された小さな箱。 この黒はエナメルなのか、この貼り付けた七色チップはなんなのか。  ともかく開けた時だった。  針金が近くの三人の顔に飛びついた。  絡み、歪み、捻じり、顔を覆う。 仮面となって、張り付いた。髭を蓄えたそれぞれ違う仮面となって。  入り込んだもう一人。 その様を見、息を飲んで動けない。 そんなもう一人に、箱から飛んできた多くの針金が頭に刺さった。 それは後光の様に後頭部に広がった。  三人が動きます。歩きます。 ゆっくりと。 もう一人もゆっくりと。座り込む。 明るくなった月明りの下、演練を続けたような動きで。 「ユダの地よ」 仮面の一人が言います。 「ああ、ベツレヘムよ」 その隣の仮面が。 「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか」 もう一人が言う。 すると見上げます。 「空を見よ」 「光が」 「星が、西へと流れていく」 光が、月明りが仮面を被っていない一人に当たる。 「この馬小屋の、何もない藁の上。そこに我が子が眠っている。 不意に産気付き、こんなところで。 ああ、ヘロデ王の赤子狩りがなければ。ああ」 月明りが強くなり、静まります。 廃屋の一角に積まれた草の上に、針金の人形が眠るように横たわってました。 そこに光。強い光。そして消えました。 「星の光がここに導いた」 「誰かいる」 「あなたは誰だ」 「わたくしはヘロデの横暴を逃れた者です。願わくば、この子、我が子に祝福をお与えください」 仮面の三人は膝を付き、祝福します。 「おお、まさか」 「間違いない」 「この子こそがユダヤの王。王の中の王だ」 そして拝みました。 「わたくしは女のまま、処女のままでこの子を産みました。やはり、やはり神との子なのでしょうか」 「間違いありません。星が我らを導きました」 「これを捧げます。乳香を」 「没薬を」 「黄金を」 「我が子、神の子へお捧げ下さい。わたくしは、神の子を王の中の王となるまで育て、祝福し、賛美いたします」  どれだけ時間が経っただろうか。 気が付けば、外は薄明るくなっていた。 いつの間にか、顔に張り付いていた針金の仮面は取れた。 もう一人に刺さった後光の様な針金も、消えている。  草の上にあった人形もまた。 針金は一切が、ない。 この廃屋の中には、どこにも。  ただ、黒光りする小箱が現実離れして美しく思えた。  四人は、何も持たず廃屋を出ていく。毒気を抜かれて、どこか晴れやかに。 東方の三賢者を演じ、清らかな思いで。 あの小箱は、蓋を閉められ、あの廃墟の中でまだじっとしている。


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フィラデルフィアの夜に 61 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 3
P V 数 : 660.4
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2025-11-21
コメント日時 2025-12-04
#現代詩
項目全期間(2025/12/05現在)投稿後10日間
叙情性00
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 エンタメ00
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構成00
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閲覧指数:660.4
2025/12/05 21時14分47秒現在
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    作品に書かれた推薦文

フィラデルフィアの夜に 61 コメントセクション

コメント数(3)
ぼんじゅーる
作品へ
(2025-12-03)

こんばんは。 針金が全体を通して物語をリードしている感じがします。 この盗賊のような四人が、針金によって毒気をぬかれた、という事は 針金はなにかこう、注射針のようなイメージなのでしょうか。 悪い血を抜く、と言いますか、 「針金の人形」というモチーフがかなり印象的です。それが消えていた というのも示唆的だと感じました。

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羽田恭
ぼんじゅーるさんへ
(2025-12-04)

元ネタとなったのは「浦島太郎はどこに行ったのか」(高橋大輔 新潮社)にあった話で浦島太郎ゆかりの神社二か所で漆売りの小箱に能面の翁面が収まっていたというのがあり、そこから発想を膨らませました。 フィラデルフィアシリーズは針金が関係する不可思議な話の連作となっているので、針金がどうにも絡んできます。 演じたのは新約聖書のキリストが誕生した時の「東方の三賢者」のエピソードになります。 マリアがキリストを馬小屋で出産した際、流れ星に導かれ三人の賢者が現れ、乳香と没薬と黄金を捧げたとあります。 ですので、針金の人形はキリストですね。 いなくなるべくタイミングでいなくなっています。 一応、アメリカのフィラデルフィアが舞台なので聖書から題材をとってみました。 聖書になぞった演劇をやったから毒が抜かれたかなと。 ちなみに針金は、普通の針金のイメージです。

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ぼんじゅーる
羽田恭さんへ
(2025-12-04)

お返事ありがとうございます。 解説をいただいて更に足掛かりになりました。 フィラデルフィア、 前に一度検索したらアメリカと出てきたのですが、合っていたようで良かったです。 針金が重要なのですね、 今度からはまた意識して読ませて頂きます。

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