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成長しない赤ちゃんのうた
生まれて7000日目の朝 ミルクの味がちょっと苦い おしゃぶりは思想家の顔してて 「アイデンティティは消化に悪いよ」って 冷蔵庫から取り出した空気を吸い込み 「今日は何にも感じたくない日だ」と 生まれたてのまま、背骨が語る 「進化論は俺を飛ばした」と ベビーカーで職場に通う途中 鳩が教えてくれた「承認欲求は羽の無駄遣い」 母の抱擁より先に受け取る罵声の言葉 目の奥にある怒り、それが"おはよう"だった 僕の中には何もない だから何でも入ってくる 爪の先の怒り、作り笑いの接着剤、 朝礼で配られた「普通」の湿度、 全部が僕の心の中で、 ぐるぐる回って、嵐になって 吹雪の中心に、僕は座って あくびをしている 夢を見ない夢の中で マグカップが「やりたいことって何?」って聞く 「それってミルクより栄養ある?」 とりあえず、飲んでみる、カフェインのない不安 子犬が詩を詠む午後三時、 公園の砂場で議会が開かれる 議題は「幸せについて考えるべきか否か」 僕はスコップで沈黙に投票する 「友達って何?」って言葉の奥に、 定義で境界を引きたいあなたの本音が見えた その問いを向けられて分かる 「そこに僕は入っていないんだね」 僕の中は空っぽで だから詰め込まれすぎて 限界寸前のゼロ地点 感情のコラージュでできた迷路を 這いずるように、笑いも涙も 他人の声で流れていく だけど、「本当」が見えるたび嵐が止む 僕はずっとゼロのまま でもゼロだから、何色にも染まって でもゼロだから、真実だけが熱を持つ 「本物の感情」が目の前で、 お辞儀をした、その瞬間だけ思うんだ 「ここから自分は始まるんだ」と
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成長しない赤ちゃんのうた ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 304.6
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-11-10
コメント日時 2025-11-11
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


発想と構成はおもしろいと思いました。 三連目に出てくる鳩からかな。 異表を指すように付けられてる名詞群がちょっとおもしろくない。 タイトルはそのまま内容を示唆しているので、 「ゼロ地点」のほうがおもしろいかな、と、 そうなれば終わりに連発されてあるゼロは他の文言と交換されるべきでしょう。 文体感はいいので、 ちょっとした操作でもっと刺激的にもなるな。 と、そういう感想を持ちましたね。
0外国のことはわかりませんが今の日本という社会に 生きている一人の人間としてこの詩のようなことをいつも 感じています。
0takoyo2さんの『大人用オムツの中で』に近い匂いを感じました。 この作品で述べられているようなことに近いことを感じる人は、多いのではないでしょうか? 書きはじめのようですが、今後の作品も気になります。
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