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犠牲者
祝い事を終えて、 昨日に飢えたとするとしたら、 誰がその手を掴んでくれるのだろう。 君のその御心を分けてくれるだろうか。 砕けた骨片は砂と混じって、 天国を目指して消えてしまった。 川のせせらぎが遥か遠くに感じた頃、 私の為に犠牲になった子供達に思いを馳せた。 私たちが捨てた少年が路地裏の土になって、 私たちが捨てた少女が首を吊って、 私たちが生きようとした時代が 私たちが輝こうとした季節が 無惨な犠牲者となったこと 気が付かない気づけない その両手を太陽に透かしてみれば、 なんと鮮やかな赤なのだろうか。 誰を殺した跡なのだろうか。 生き残る為に捨てたものが、 心ではなく肉体ならば、 美しくなれたのだろうか。 放り投げた枝の向こうにあった、 僅かながらの希望以外に何を求める。 脈打つ心臓の頼りなさに、 私たちは何を期待しているのだろう。 未完の美しさだけ置き去りにされて、 また巡る四季に嫌気が差した。 私は何を失うのだろうか。 誰の犠牲者になるのだろうか。
犠牲者 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 338.5
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-10-05
コメント日時 2025-10-09
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
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| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
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| 平均値 | 中央値 | |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


謙譲語に綴られた冒頭からの四行を読んで、 あれ? この人は基督教の信奉者なのか、との思いが奔る。 このことが~だろうか。という問いかけに 善悪を語るという希求的な精神から 最後まで宗教的な概念が抜けきれずに ちょっと物足りなさを感じて残念な気がします。
0コメントありがとうございます。 宗教的な観念はもってないとは言いませんし、一応私そっち方面のことを少しばかり齧っているのでなんとも。 ただ本当に信奉者では無いことだけは言っておきます。ただの無神論者であります。 宗教的な考えも面白いものです。 知っておけば少なくても無色透明な味気ない文字列にはならなくていいですし。
0昨日に飢えた、というのが、見逃せない詩句ですね。あがめるものと、捨てるもの、でもこの詩の主体は、決して傷つけようという悪心は抱いていない。何かを失う恐れ、犠牲者にされる恐れを、生と死という矛盾しているようなしていないようなものの中に抱えてしまうのは、誰しも考えることだと思います。
0両手を太陽に透かして見れば、何と鮮やかな赤なのだろうと言う箇所が印象的で、また巡る季節に対する嫌悪。失う事、誰かの犠牲者になる事、未完の美しさは置き去りにされて、自らのボディーに社会を見出しているのかもしれません。
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