上下
左右
前後
男女
転んだ拍子に
片方が取れました
わけがわからない
寂しい
寂しい
寂しい
――沈黙
闇だけが残る
光の消失
ふたつでひとつだから
片方がなくなると
存在が消える
壊れたままです
空間も
人も
何もない
水をたたえる地がない
悲しみ
悲しみ
悲しみの涙が
とめどなく溢れたすえ
地球がまっぷたつに割れます
もう元に戻りません
わたしの眼鏡のつるも
片方が折れると
もう役に立たなくなりました
折れたつるを
必死に
接着剤やテープで
つなげようとしましたが
決してつながりませんでした
悲しみの軋みを聞いた宇宙の創造者が
もう一度始めようと思い
やがて
宇宙の遠いどこかの星で
また水と地と
生命が生まれます
お父さんと
お母さん
男と女
また生まれます
ほとけさま
わたしたちをお救いください
わたしたち
懸命に
努力して
生きております
形あるものはいつか壊れる
でも地球が壊れたら
誰が世界を救えるのでしょうか
最後に悲しみの中で死んでいく人は
それでも救われてあるのでしょうか
西方極楽浄土
救いの地へとお導きください
永遠の涅槃の中で
愛する者と安らかに
いたいのです
ご先祖様は
いらっしゃいますか
鳥や獣たち
魚と虫たちは
元気ですか
きれいな緑や
あざやかな花々は
静かに
佇んでいますか
みんながいるから
みんながいる
過去から生まれ
未来へ帰っていく
みんな自分の中へ帰っていく
そしてそれぞれの愛しい人と手をつなぐ
大悲――
ほとけさまはみんな知ってらっしゃったのでしょう
わたしも知りたいと思います
あなたの笑顔を見るためならば
わたしは何千回地獄に堕ちようとも耐えてみせます
永遠の喪失がないと知ったならば
何をためらう必要があるでしょうか
永劫回帰は担うに重くとも
永劫の苦は存在しません
わたしは信じる
愛と存在の永続
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 754.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-09-02
コメント日時 2025-09-07
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:754.6
2025/12/05 19時35分50秒現在
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壮大な詩ですね。一種のお経のようにも、シネマのようにも感じました。私も仏教徒なのでこの作品のテーマには親和性を感じました。
1悪夢と、その克服を書きました。地球が壊れた後も、涅槃で永遠の安らぎの中に存在し続けるという人智を超えた状態を夢見ました。個の存在を超えるらしいのですが(無我)、とりあえずは現世の苦を滅して、愛を実現する方へ行くのが、修行ですね。そして、菩薩であるならば、他の存在のさとりを助けなければいけません。涅槃が怖いのは、今いる自分が無我であるということを、理解しきっていないからなのでしょう。本当に真理を知っていれば、そのことに執着は起きないからです。個のロマンスにこだわりすぎるということは、まずは昇華すべき事柄ですね。そして、本当に人を思いやるということが出来るのであれば、ロマンスを楽しみつつも、すべての場を和やかにできるのだと思います。僕の場合はまず健康からですが、同時に、すべての人の悩みや憂鬱を解決していけるような智慧が生じない場合は、本物ではないと思っています。
0まず、◯◯からと思えるのはいいことだなあと思いました。人智で知れない世界は科学的にも分かっているけど、今の我々には『見えない』ということかと思います。しかし、感じることは出来るので、それが今回の作品のように顕現するのかなと思いました。今生での克服は大変だけど、その姿こそ尊いと思いました。
1所々に体現止めがありますね。 こういうのがいいのかな。私のメガネのつるも折れました。初期不良で無料交換中です。
1体言止めには以下の効果があるそうです。 余韻(想像を広げる) 強調(印象を固定する) リズム(言葉の流れに変化を出す) 象徴化(抽象性を増す) うまく使いこなすと、いい詩が書けそうですね。眼鏡、つるが折れると、悲しいですよね~。
1すいません、上のコメントは、たわしさん宛てです。
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