息をするように、

息をしている。横隔膜をグッと広げてめいいっぱいに地盤を固めて順ずる気管の神経が肺に空気を積み上げる息をしている。大雨、内水氾濫でコンビニ近くのマンホールがゴボゴボ鈍く鳴らしては二酸化炭素を押し上げる息をしている。 16拍のロングトーンラルゴ、揺らぎは裏腹に流動体を止めぬよう私は床を睨みつける息をしている。工業地帯の中心部景色良さそうな煙突は下のタンクには目もくれず悠々自適に白を吐く息をしている。プールの飛び込み台登り空気も触れずに飛び込んだ目を開け見惚れた光芒は助けに潜る友達で隠れた息をしている。風通しのいい会社だと噂を聞いて入社した私のデスクの引き出しに前職員の忘れ物息をしている。小学校の運動会逸る気持ちで走ってた忘れてしまった走り方本能の音だけ聞こえてた。息をしている。追いかけっこだと教えられ「私」の奪取を試みた建つも崩れるも泥の様雲の様とはいかないか息をしている。夢や希望や欲望や渇望、憎しみ、愛さえも事象が動く瞬間に私の意思などあるものか息をしている。いつも息をする

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作品データ

コメント数　： 2
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作成日時 2025-07-15
コメント日時 2025-07-16

#現代詩 #縦書き

項目	全期間(2025/12/05現在)	投稿後10日間
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2025/12/05 20時17分32秒現在
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コメント数（2）

ぼんじゅーる

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(2025-07-16)

こんばんは。 >>息をしている。風通しのいい会社だと噂を聞いて入社した私のデスクの引き出しに前職員の忘れ物ここがなんだか好きですね。沈黙の落胆、諦念と言いますか。でも息をしていると。

咲希　ほこり

ぼんじゅーるさんへ

(2025-07-16)

ありがとうございます。個人的にかなりポップな表現が出来たなと思っている文章です。前の職員は何を忘れていたんでしょうね。もしかしたら前の前の職員の忘れ物なのかもしれません。「前職員の忘れ物をここにいる全員、誰も見つけられなかったのか、、」と私は落胆しため息をこぼすしかないみたいですね。