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水際の正体/境界線
私の血の流れを聴くように その音を 掴んでは、離す あなたの身体から滴る汗を浴びるように その温度を 掴んでは、離す 柔らかな草の葉に手のひらで触れるように その質感を 掴んでは、離す 生暖かい泥が足裏を掴んでいるように その柔らかさを 掴んでは、離す 私の髪とあなたの髪が入り混じるように その色を 掴んでは、離す 大木のうろに包まれるように その硬さを 掴んでは、離す 掴んでは、離す 掴んでは、離す 掴んでは、離す そこからこぼれ落ちたものたちが 塵のように舞いながら 緩やかに侵食していく <わたし>の全貌を <わたし>が見ることはできないけれど 伸びていく影がゆっくりと立ち上がり ⻄日の中で踊るように揺らめいている 定まらない<わたし>の形を どこまでも追いかけていったら 重なって消えて、どこかに飛び出て なぞり続けた指の痕だけが ただ静かに佇んでいた
水際の正体/境界線 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 479.8
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-06-25
コメント日時 2025-07-01
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


こんばんは、冒頭から、血がスゥッと流れていくような感覚で、読めました。
0ヒットアンドアウェイとは違うんだと思うのですが、掴んでは、離すと言うフレーズ。音や温度や、質感、柔らかさ、色。硬さまでも。存在の揺曳が感じられました。私と言う存在の分かり辛さ。なぞり続けた指の痕が印象的でした。
0読んでくださって、ありがとうございます。 ”血がスゥッと流れていくような”ととても嬉しい感想をありがとうございます!
0読んでくださってありがとうございます。 とても嬉しいです。 実存性というのはとても曖昧で、そして日々知らず知らずのうちに変容していくものだと感じています。 その実存性を、物体としてではなくて揺らぎの中で捉えることができたら、と思って書きました。
0相手との心の肌感覚を感じる詩ですね。とてめた素敵だと思いました。
0読んでくださってありがとうございます! この詩から「相手との心の肌感覚」を感じてくださって嬉しいです。 きっと、誰か、がいないと自分も存在し得ないのでしょうね。
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