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おばけになりたい
おばけになれたら ねがわくば この世で一番の悲しみを連れて おばけになれたら うずくまるあの子の隣に座って 青白く冷えた手を握りたい 帰る場所が見つからず 不安で泣いてるあの子と一緒に どこまでも どこまでも 終わらない道を歩き続けたい ここはどこ、わたしはだれ、って 物語の中から追い出された 行方不明の亡霊たちは こんな晴れた日にもびしょぬれだ 誰の目にも止まらず 誰の耳にも声は届かず 違う世界線に木霊す叫びは 透明の壁にぶつかっては死んでいく 抜け殻の言葉がそこら中に転がっている いつまで経っても 羽の生えない君たちは 足の裏から根を張って 根無し草になってしまったね さみしい さみしい身体だ 孤独と孤独が寄り合って 蓮の池を作ったとて 華は咲かない 永遠の眠りに落ちた蕾だ だからわたしはおばけになって 根無し草を摘んで花瓶に生けたい 枯れた蕾は砂糖で煮詰めて 優しい味のジャムにしたい その眼に二度と光が差さないならば 美しい言葉で編んだ瞳を贈りたい 欠けた詩を繋ぎ合わせた新しい網膜は 古い瞳が映していたより ずっと鮮やかな世界を その心に映し出すはずだから 透明なくぼみに朝焼けを注いで その肩を抱くのは どうかわたしでありたい 風化する砂上の足跡に 名も無き花を添えるのも どうかわたしでありたい だって しっぽのない時間を 生きて 生きて 生き抜いて いつも最初に目が覚めて いつも最後に眠るのは わたしだから
おばけになりたい ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 507.7
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-04-20
コメント日時 2025-04-21
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


最終連以外は、終始一貫“あの子”について語られてる印象です。 “あの子”とは、 抜け殻の言葉を擬人化されたものなのでしょう。 とても優しい想いに満ちています。 そして、肝心のおばけの正体なのですが、 >しっぽのない時間を という一文から“とかげ”が思い浮かんだのですが、 イメージが違います。 あくまでも、直感的なイメージにしか過ぎないのですが、“猫”なのではないか?と思いました。 化け猫は、しっぽが三ツ又に裂けていると、何かで知った記憶があります。 だから、 >しっぽのない時間を とは、まるっきり矛盾しているのですが。 ありがとうございます。
1ジワるな。おばけ、、といってもこれは「優しさのおばけ」で、ついどこの職場にも必ず一人二人はいる「いらない子」とか「すぐいなくなる子」を、影でそっと慰めてくれる菩薩系先輩を想像してしまった。このおばけは、MTBIならINFJだろうか。 おばけっていうと、だいいちに恐怖の対象なのだが、あとは、まれにオバQとかムーミンみたいな、天然陽キャみたいな希少種の例もあるが、とりあえず世界の「裏」を指すもので、ある種のミームとしても完璧ですね。 他方、大人たちのマナーや冷笑、失笑などによりシヴィアに検閲されてもいて、リアルではおもてだっては口にしないほうがいい。会社の呑みの席でうっかりポロリしたら同僚たちの赤ら顔も一瞬だけ真顔になるにきまっている。 社会的には「幼児語」としてNGワード指定されがちなこのコトバを否定も肯定もせずに、微妙なラインで「意味の変容」を企てている、そんな感触。あと、このおばけの立ち位置が死者でも生者でもなく、独特に中間的であり、なんとも妙で。隙間のスキマを狙っている。その点で話者の主体が「おばけらしい」のだと思った。
1>MTBIなら MBITなら
0MBTIですね。すみません...
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