先生、おれだめかもしれない
せっかくあなたに推薦文まで書いてもらって
優秀な学生として表彰を受けることができて
輝かしいまま終えられたはずなのに
たった一つの大きなミスで
それが叶わなくなってしまった
情けなさでいっぱいになったおれに
ティッシュの箱を目の前まで寄せてくれて
そんなこと全然大したことじゃない。
あなたは笑ってそう言った
親にも友人にもまだ言い出せていなくて
重たい後めたさを抱えているおれに
俺なら言わない。隠せばいい。
適当に嘘をついてやり過ごせばいい。
あなたは笑ってそう言った
なんてことを言うんだと思った
でもそのあきれるほど軽々しい無責任さに
思わず転けそうになったはずみで
右足が一歩前に出ていた気がした
綺麗に生きてる人間なんてつまらない。
たくさん苦しんで傷ついたほうがいい。
人生、ローリング・ストーンだよ。
先生、おれつまづいてしまったけど
その勢いで転がってみます
埋まることのない後悔を抱えて
かびの生えたぬかるみを不器用に泳いで
また新しい傷をつくりながら
硬い岩や地面に身をすり減らされて
欠けた場所から光がのぞかなくたって
中身が輝かしい原石である期待じゃなくて
今この時に感じる苦しみや喜びを刻んで
自分の意思で転がってみます
作品データ
コメント数 : 4
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作成日時 2025-01-27
コメント日時 2025-01-29
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
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2025/12/05 19時15分08秒現在
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最後の二行はブルーハーツを思わせる。この前向きな精神は単純で幼稚かもしれないが、私は嫌いじゃない。幸福は将来に託されているのではなく、各瞬間にあるというのは、まったくの同感です。 思い出しました。ラウ・リードがどこかのインタビューでこんなことを言っていました。 What do you like most at life? Everything.
0これから面白くなるぞ!というところで終わってしまったような気がしました。生徒と先生という構図、そしてそのやりとりが純粋に面白かったので、もっと続きが読みたいなと思いました。この感じで、あと2、3倍くらい内容を引き伸ばされても全然良いのではないでしょうか。例えば転がってみますだけではなく、転がっていますとか転がってみせますなどのパターンをそこに加えるだけでも、更に話を展開することができると思います。つまり今作は、結局何だったんだ、でも面白かった!と読み手に思わせる作風だと思いますので、そのための長さが、もう少し必要かと思いました。
0コメントありがとうございます! このままいけば得られると思っていた結果が途絶えてしまって道を失った気がしていたので、過程の連続だという言葉には救われました。 「everything.」かっこいいです。そう言えるような日々を送りたいですね!
0コメントありがとうございます! この詩はとある賞への応募作で、確か原稿用紙2枚規定だったのでもっと書きたいと思いながらの仕上がりでした。すごく的確な指摘です。 エッセイとか文章にも起こそうと思っていた出来事なのであるいはそっち向きの題材なのかもしれません。 「もっと続きが読みたい」と言っていただけてめっちゃ嬉しいです!ありがとうございます
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