岸壁の海へ後ろ向きで落ちていきたいと思った
冷たい貴方には夏がお似合いだと口にした
夏の海だから綺麗に感じたのか
貴方の手を握って心音を感じた
すると、私の肋が軋んだ音がした
冬の早朝の様な貴方に、毛布を掛けてあげたかった
そうしたら、またここで手を握ってくれるだろうか
気霜が私の視界を覆って、手先の冷たさを自覚した
それを、氷を溶かすようにゆっくり温めてくれたなら
沈んで腐敗した貴方を纏う空気が、貴方に彩りを与えた
西へ沈む太陽が、青い小果実を照らしたように。
燦爛たる貴方が、青い春を謳歌したように。
お腹を空かせた貴方が、水面下へ沈んでいくというなら
私は息を吐いて、水鏡に映る貴方を見つめるでしょう
水面下で貴方と目があったら、貴方に息をあげる
もう一度浮かべるように。
貴方に、小さな幸福が訪れるように。
青い小果実の様な貴方から、裏切りの匂いがした
水中でピアノの音色が深く聞こえるように。
貴方の声も遠く感じた
熟して落ちて腐る運命の果実と
成長していく貴方を重ねたの
庭の花の蕾が実った様な幸福を
枯れ葉が散りゆく様な刹那を
貴方に、小さな幸福が実るように。
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 637.6
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 6
作成日時 2024-12-03
コメント日時 2024-12-15
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 1 | 1 |
| 前衛性 | 1 | 1 |
| 可読性 | 1 | 1 |
| エンタメ | 1 | 1 |
| 技巧 | 1 | 1 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 1 | 1 |
| 総合ポイント | 6 | 6 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 1 | 1 |
| 前衛性 | 1 | 1 |
| 可読性 | 1 | 1 |
| エンタメ | 1 | 1 |
| 技巧 | 1 | 1 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 1 | 1 |
| 総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:637.6
2025/12/05 18時17分25秒現在
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はじめまして★ 作品を読ませていただきました。 透き通るような青色の中に、幼さが残る美少年と美少女、ノスタルジックなピアノのメロディー、大人へと成長していく姿、失恋等、色んなものが脳内で美しく映像化されて、惚れ惚れしちゃいました(*´ω`*) 青春の甘酸っぱさ、切なさ、ほのかに感じる物悲しさをうまく表現しているなと感じました。 めちゃ私好みです!頑張れ★
0初めの方はあまりよくないかなと思って読み進めていたのですが、だんだん美しくなっていきます。 確かな声を持っていらっしゃるので、これからも書けばもっともっとうまくなると思います。 想像力の飛翔が感じられ、うまいかただと思いました。
1タイトルの「青い果実」は、おそらく「私」のことなのでしょう。 もちろん「貴方」も青い果実ではあるのてすが、 第三連で徐々に彩りが与えられていたり、「熟して落ちて腐る運命」に乗り始めていると思うんですね。 そして、第五連で「貴方」の声をうっすらと感じている。 裏切りを感じ、「貴方」が一人熟して「私」の元を離れるその瞬間、まだ青いままの「私」は「沈黙」して見送るしかなかったのだろうなと。美しい別れだと思いました。
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