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2片の花びら
夢来たる 厳かに纏う紅は あいだを染める導きの糸 南国の あどけない娘(こ)は雪の夜の 雪のさなかのマンゴーのごとく 紫の 音色たなびく桃園(ももぞの)に 見えざる月の満ちる音聴く 糸を引く よな上目遣い胸弾み 伏せられた目に言の葉の雪を しんなりと 夢へ行くよと語り合い 愛と悲まみえた笑みを抱きしめ 抱きつきたい 言うやふふふと笑うその 果実にそっと触れる暗がり 遠き目で 置くよに語る身の上の 話に古道ともに行くよで 秋空の よに澄み渡る微笑みの 仄かに翳る目の先を追い 抱きすくめ また抱きすくめて君に行く ごめんねって言いありがとうと言う 夢の橋 傍らにいまも紅い君 月影に降る雪はしんなり 夜抱かえ 1人夢見る春景色 想うは君のいたいけなあそび 〜 その昼下がり 小倉の街は濡れていた 滑らぬよう気をつけて歩道橋を渡る セントシティ1階すぐの無印良品 建物に入れば雨の気配など微塵もない それだけのことがなぜだか不思議だった 車窓から見た河沿いの紅の梅も想い出して ささやかな自然たちと堅牢な人工物の対比に打たれた オーガニックコットンのズボンの色違いを3着 計1万ちょっと いつからこうも認知の枠が緩くなったんだろう レジの女の子の笑顔は小雨であり梅だった 儚げでありながら艶やかという共通項を介するように 無機的な空間にぬっと湿った何ものかが飛び出してきていた 丁寧に会釈をし、会釈を返してもらう悦び 笑顔の正体など分からないけれど、それでいい 帰りもやはりバスに乗る 行きに気づかなかった枝垂れ桜に目が止まる やはり儚くも艶やかだった 都心の真ん中に静かに咲いた、あの笑顔のように 花も笑顔も、街に抱かれてる でもその街は雨に、空に抱かれてる つまりはみな 宇宙ってやつに抱かれてて… そんな広がりゆく夢想のなかで たとえば哀しげな一輪の笑顔を抱いてみたい 惑星に音もなく散る 2片の花びらのようにー
2片の花びら ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 605.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-04-03
コメント日時 2024-04-06
項目 | 全期間(2024/12/13現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
雪月統様、こんにちは。 詩を拝読しました。 触れてもよいのだろうかと 思わず迷ってしまうほどに 美しい世界だと思いました。 現実世界で幻想が咲くような そんな光景が目の裏側に広がりました。 美しくもどこか切ないロマンチックな詩を ありがとうございます。
1感想いただきうれしいです。すぅさんに届かせることができ、書いた甲斐があったなと思います♪ 実際、夢のような体験だと感じておりまして、この詩はそれを率直に書いたものです。幻想のような現実を与えてくれている彼女に、ただただ感謝したい気持ちです☆
1こんばんは★ 作品を拝読させて頂きました。 最初の方の絵画のように美しい世界から、無印用品やセントシティといった表現から現実世界にワープしたような面白さがありました(θ‿θ) 現実世界の中でも、美しさが所々に散りばめられていて、技術がすごいと感じました★
1男性には恋にロマンテイシズムを大いに持ち込んでほしいと思っているので、拝読して実に美しい心持ちになりました。ありがとうございます。
1絵画のように美しいとまで言っていただき、恐縮ながら心よりうれしく思います。彼女との触れ合いを、とかく美的に11個の短歌として"描いた"つもりだったので、絵画のようとは最高の褒め言葉として受け取らせていただきました♪ その下の文章は、淡々とした筆致ながらも抒情の立ち昇ってくるような、そんな文を目指して書いたもので、技術についてお褒めいただいたこと、やはりうれしかっです。ただ自分としては、やや作為が目立つかなという感覚もあり、もっとしなやかで流れるような文を目指して精進していければと思っています♪☆
0湖湖さんにお褒めいただけたこと、ホントに光栄ですし、なによりうれしかったです♪♪美しいことこの上ない詩を書かれる湖湖さんに「美しい心持ち」になっていただけるなんて、それこそ感無量というものです! ロマンティシズムについては、逆説的かもしれませんが、僕は―少なくともある程度までは―幻想的な恋こそ現実的な恋だと、そう思ってるんです。だって、彼女は正真正銘の、世界に1人だけの存在なんですよ。その事実に驚かずして何に驚くの?って感じです(笑) さらに言えば、たしかに他の人たちも彼女に接することができるとはいえ、人は相手によって振る舞いを変えることを思えば、彼女が僕に見せてくれる顔というのは、まさしく、この世界で僕だけが見て感じることのできるものですよね。ここにきて、現実というのは、ほとんど夢や幻想と同義になります♪☆
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