作品投稿掲示板 - B-REVIEW
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メリークリスマス   

作成日時 2018-01-03
コメント日時 2018-01-18

いささか時期外れかも知れませんが…。 (落としなさい) あなたはそう命じて 核爆弾の発射ボタンを押した (落とすべきだ) あなたの祖国は そう大合唱したあと、 垂れてくるヨダレを 誰にもわからないよう そっとぬぐった ぼくは 古い映画を思い出していた かつて あなたが日本と闘った 戦争の映画の たしか終わり近くの シーンだったと思う、 クリスマスの晩のこと、 日本人の将校が たかが捕虜でしかない イギリスの元大佐に 庶民にはとても手がでない 高級な洋酒をすすめた よく光るはげ頭を光らせて (神様の誕生に祝福を、ローレンスさん!) 顔をくしゃくしゃにして 笑うんだ (おれは根っからの軍人だが) その将校がうそぶくのが聴こえる、 (敵の祝いの日に、敵の神様ごとがつんとやる非礼を許すろくでなしじゃない) ぼくは 想像してしまうんだ、 縲々と 築き上げた 祖国のために 最後まで戦った 日本軍の死体、死体、死体 むろんその将校の 死体も横たわっていて、 ぼくはたしかに見たんだ、 すべてのかれらの手には 容易に 買うことのできない きらきら輝く 美酒が 七十余年経ち あなたが投下を命令した 核爆弾の正しさを この世界の誰一人として 承知しないだろう それは あなたにとっても あなたの祖国にとっても 手痛い非難であることは よくわかる 大統領閣下、 なぜなら ぼくだって あなたの祖国の人間だったなら、 あなたが落とす爆弾に 便乗する人間の ひとりに なっていたことは 間違いないから 雪は降り、 そうして隣国の全滅を ヨダレを垂らして 待っているぼくらの ろくでなしの世界の ろくでなしの夜に、 ろくでなしの歌が流れ、 ろくでなしの祝福と ろくでなしの飽食、 ろくでなしのもみの木と ろくでなしの星飾り、 ろくでなしであふれた この世界に、 それ以上の でたらめを乗せて 時代が進もうとしているのを どう祝えというのか ネオンきらめく 天国の国の 天国の町 雪景色は息を呑むほどきれいで 忘れ去られた名画座の戦争映画の 流れるエンドロールを 見ている観客はひとりもなく ぼくらの祖国の あらゆる町角に あらゆる道に 家々の屋根に 沈黙のなか しんしんと雪は 降り積む まるで はじめてのように 足跡ひとつない 地に敷いた 雪の絨毯に 澄みわたった 汚れなき 朝の空は 青く


項目全期間(2019/11/19現在)投稿後10日間
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2019/11/19 18時36分34秒現在
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コメント数(16)
くつずり ゆう (2018-01-07):

岡田直樹さまの作品がすきで、他のものも読ませていただいています。 この作品は、雰囲気が違うなあと思いつつ、でもやっぱり温かさを感じました。

岡田直樹 (2018-01-07):

くつずりゆうさま 温かといっていただいて嬉しいです。 これからもここに詩を貼って行きますので、よろしくお願いします。

緑川七十七 (2018-01-11):

「いささか時期外れかも知れませんが…。」という書き出しには何故だかドキッとさせられました。

蛾兆ボルカ (2018-01-11):

今日は。 現在というものについて、私はトランプは、中国に核兵器の販売を密約しただろう。その売り込みに行ったのだろう、と想像しています。 アメリカの軍事費を抑制する方法としては、核兵器がどこかで使用されて、一発あたりの効果を人類が再認識するのが近道ですし、売れば儲かる。戦場がアメリカでない限りは。 そうした非常に残念な、殺伐とした現状認識にいる私が、昨年しみじみ思ったのは、自分は「生の言葉」のシャワーを浴びて、詩的にずいぶん痩せたなあ 、ということでした。 言葉が出て来にくくなりましたよ。 しかし、それを避けて美しい言葉に閉じこもるのは、より大きな野蛮さに加担するようで、嫌であり、「マイペース」の在り方を探しています。 この詩は、生の言葉ではない、詩的な構成とフレーズにより、地球の人々の有様を描いていて、拝読してほっと息をつく思いがしました。 閉塞感を感じさせず、状況から目も逸らさず、神の沈黙と神を語る者の欺瞞を、生の言葉で語らず、希望や理想を手放しません。 映画の引用の仕方としても、エンドロールが流れるシーンで語るとことこか、カッコイイと思いました。

渡辺八畳@祝儀敷 (2018-01-12):

これはなにを言いたいんだろうか。 って、まずメッセージがどこにあるかを探してしまう。 詩の目的ってメッセージの伝達ではないと思う。それをやるなら普通に散文にしたほうがいい。 この詩にメッセージでない詩情なるものが無いとは言わないが、(作者自身のものかどうかにかかわらず)詩から見える政治的イデオロギーがこの詩がメッセージ伝達のものだと規定させてくる、又は錯覚させてくる。 基本的に私は震災詩も反戦詩もそういった類のものにはNOを示します。それは以上の理由からで。政治的イデオロギーは鑑賞そして創作を妨害してくる。そして鑑賞者称賛者をそのイデオロギーに合致する者に限定させてしまう。 峠三吉だって原爆の文脈以外で評価されているところを私は見たことが無い。私はそもそも峠三吉自体を良いとは思わないが、でも彼にだって詩表現の観点から賞される点がたぶんあるんだろうなとは思う。でもその点には現在は触れられない。左翼としてのイデオロギーがあまりにも彼と不可分になっているからだ。 思想を伝達したいのか、詩表現をしたいのか。そこは明確に分けるべきだと思うんですね。

蛾兆ボルカ (2018-01-12):

渡辺八畳さんのコメントについて、私にはいくつか異論があるのですが、一つだけ示させて頂きます。 「人間においては、人生と社会の全事象が、政治と関与する。」 と、私は思います。 例えば、性的関心の対象者にどんな属性のひとを選ぶかは、もちろん個人の勝手なのですが、現実には同性愛はしばしば政治的に抑圧されます。 しかし、サッフォーが同性愛を歌い上げたからと言って、彼女はレスボスの詩人ではなく、レスボスの思想家ないし政治家だ、などと主張できるとは、私には思えません。 戦争を嫌悪することも、嘆くことも、本来的には人の自由ですが、政治的な場面においては、政治の課題になる場合もある、というだけなのではないでしょうか。 戦争の惨禍を扱った詩としては、「国破れて山河あり」で始まる漢詩が著名ですが、作者杜甫の詩人としての評価は、現在のアジアにおいて、確定していると私は思います。

蛾兆ボルカ (2018-01-12):

すみません、語り方をミスしました。 人生と生活の全事象が、政治と関与する。そして、森羅万象が詩の主題となりうる。したがって、ある詩の主題が政治の課題となったいることをもって、その詩を批判することは出来ないと思う。 と、いうことを述べようとしました。

岡田直樹 (2018-01-13):

緑川七十七さま 出だしの二行、おっしゃるように奇妙になっています。作品には含まず、除外して考えてください。よろしくお願いします。

岡田直樹 (2018-01-13):

蛾兆ボルカさま 昨年の超大国の暴れようには、ぼくも何度ため息をつき、怒りを止められなかったか。中国との何らかの密約は確かでしょう。 人生と生活の全事象が、政治と関与する。そして、森羅万象が詩の主題となりうる。 賛成です。政治を課題にすべからず、という意見には同調しかねます。 コメントいただきありがとうございます。

岡田直樹 (2018-01-13):

渡辺八畳ー祝儀敷@おどる生爪さま 思想を伝達したいのか、詩表現をしたいのか。そこは明確に分けるべきだと思う 詩はそうした峻別から自由なのではと思います。 反戦詩や震災詩におっしゃるようなことが言われているようですが。 基本的に、人生は極めて短く、ぼくらは一瞬を生きています。その一瞬の中で、詩にできることも、一人の人間にできることもごくわずか。その詩を縛りつける必要はないと考えます。 コメントいただきありがとうございます。

渡辺八畳@祝儀敷 (2018-01-14):

「人間においては、人生と社会の全事象が、政治と関与する。」 そもそもこれ自体が間違いかと。 この錯覚は、政治的事象が全く関係してこない事象に対し文脈無視して無理矢理「これも政治と関与する」と言っているだけか、そもそもそう錯覚する人の興味関心や趣向が政治的事象が関わってくる類のものに偏っているから起こるものだと思っています。 これは明らかに政治とは関係無いだろうというものをあげるのは全く難くありません。毎朝の排便に政治を絡められるか。また創作物に限定しても枚挙にいとまがない。例えば現在放映されているアニメ「ポプテピピック」、これで政治性を論じられるのなら是非読んでみたい。(http://nicoapple.sub.jp/so32488250 23分ご視聴勧めます) 悪魔の証明じみていますが、件の論においての反証はいくらでも出せます。蛾兆さん、ポプテピピックなんて初耳でしょう。クソアニメです。そして私は「レスボス」という語は初耳でした。 結局人間の関心の範囲なんて世界の大きさと比べれば耳糞並に小さく、またかなしいかなその耳糞の認識を持ってその人が感知する世界は構築されてしまう。政治性に浸っている人が見る世界とそうでない人が見る世界は全く違う。だから蛾兆さんの世界と私の世界はもうかなり相当とてつもなく違っていて、そもそもそう見えているのが違うのに論調が合うわけがない。 詩において政治性は十分条件でしかなく、必要条件では全くない。森羅万象が詩の主題となりうる、という点に関しては同意するが、では森羅万象が政治と関与するか、んなことあるわけない。 この十分条件―必要条件の間違いが詩が世間に取り残されていることに大きく関係していると私は感じています。全共闘時代なら通用したんだろうけど、でもいま西暦何年よ。政治の時代が終わって経済の時代となっても詩人は懐古し続けた。てかそもそも政治ってそんなに何にも優る事象か? 森羅万象が詩の主題となるならば主題の間に優劣など無いだろう。そのなかでなぜ政治性だけが優遇されるのか。もうこれは私は、詩人は政治オタクだからだってしか理由はないと思う。関係無いことには関係無いよ。あらゆるアニメに対しヱヴェンゲリヲンの影響を指摘するヱヴァオタみたいなものだ。そりゃおまえがヱヴァ好きだから何にも絡めたいだけだろー! だから私、これもうなんかいも方々で言っていることですが、雑誌に掲載された座談会の書きおこしを読むと唐突に安保法だとか震災だとか安倍政権だとか、いかにもリベラルが好みそうなワードがいきなりぶっこまれるのにすごく違和感あるんですよ。そんなに世のあらゆることに安倍政権が絡んでくるか? そんなに世のあらゆる詩に震災の影響がみられるか? (私は震災当事者ですが震災の影響は自身の詩には全くありません。震災云々と評された詩も過去にありましたが、いやあれはイサキおじさんのホモコピペを典拠した悪ふざけの何物でもないんだよ実は。どの詩とは言わないが) 杜甫に関しては、ド古典のしかも漢詩と現代詩とでは事情が異なってくるからその例を出されてもなぁとしか。 あと付け加えれば、政治性を伴うこと自体を批判はしていません。政治性は人を選ぶのでひろく鑑賞されたいならば不向きな要素だ、とことはシンプルにこれだけです。主題の間に優劣など無いならばなおさら。やりたいならやればいいけど、同好の間にしか読まれないよって。 多分ですが、蛾兆氏や岡田氏は詩作を尊い行為としてある種の神学的感覚を以て行っているのかなと思います。私は違います。詩は世のあらゆる表現手段の一つでしかありません。そして今現在世の中の表現活動の多くではいかに読者に瑕疵無く享受してもらえるか、それを意識しています。詩だけがそれを免れる理由があるだろうか。詩だけが峻別から免れる理由があるだろうか。 詩人は世の中のあらゆる行いのなかで詩作だけが特別扱いされるだろうと妄信している節があるように思える。第一、現代の理、政治もそうだけどそれと同列に消費活動も娯楽享受もなんでも、それに目を向けないでなにが「現代」詩だ。 結局言いたいのは、やっててもいいけどあるとこ留まりになるだろうね、ってことで。 てか岡田さん、画像が左に90度曲がってますよ。

岡田直樹 (2018-01-15):

渡辺八畳さま 引用し間違えました。 人間においては、人生と社会の全事象が、政治と関与する …という言及については、わかりません。 森羅万象が詩の主題となりうる …という箇所に大きく頷きます。 今現在世の中の表現活動の多くではいかに読者に瑕疵無く享受してもらえるか、それを意識しています。 …勉強になりました。ありがたくその観点、いただきます(笑)。 詩の特権的な意識は、ぼくにはまったくありませんよ。多くはここでは言うべきと思われないので控えます。 したがって、 それと同列に消費活動も娯楽享受もなんでも、それに目を向けないでなにが「現代」詩だ。 …というご指摘はちょっと決めつけしすぎではないかなあ(笑)。 いずれにしても、ぼくの詩への言及を通じてお二方に大変充実したコメントをいただいたのは、大変ありがたいことです。これに懲りず、また目を通してくださったら幸いに思います。 読んでくださった方、コメントしてくださったみなさまに深謝します!

う ら み (2018-01-15):

投稿ありがとうございます。映画戦メリをリアルタイムで観た人だと明らかにわかる話なんですが、戦メリは反戦映画ではまったく無く、時と場によってルールも価値も変わるけど普遍的男子の美学ってあるよね的な映画だったなあと個人的には思うところがあり、プラザ合意直前の日本が総中流社会だと浮かれていた古き良き時代へのレクイエムな面があったなあとも思い出しました。本作はそのレクイエムを詩でやっていらっしゃるように感じた次第です。 政治性について。本作ではウンザリする政治色は感じなかったので上手いなあと思いました。また、私的には大変興味深いトピックがコメント欄で展開されており、それはとても有意義な議論で、楽しく拝読させていただきました。実は以前から同様のトピックを発せられる祝儀敷さんに注目しておりました。当初、私が感じとった祝儀敷さんの批判の本質は「テーマ主義」への批判だと思っていました。戦争反対、反権力、反原発というテーマであれば、その作品のクォリティは問わないとする風潮に対するNOだと。しかし、それは私の誤認識だったことが当欄での祝儀敷さんのコメントを読んでわかりました。政治性を帯びてしまう、あるいは政治的なメッセージ性を帯びてしまうと広がりがなくなってしまわないだろうかという懸念。言わんとすることは私も理解します。が、しかし、それもまた作品の質を問う視点からみれば不要な懸念ではないかとも思うのです。私がいう作品の質とは芸術的に良質なことではなく、大衆受けする質をいうのですが。ポピュリズムではありません。大ヒットする政治的メッセージ性を帯びた詩作品というのは成立すると思うのです。しかしながら、実情は祝儀敷さんが挙げられた通り、メッセージテーマはいいが「作品としての質が最悪」なものばかりなわけで。 これについて是非、祝儀敷さんのご意見を伺いたいです。が、これ以上コメント欄で展開するのは不適切な気もしますので、Twitterで展開したいですね。いや、乗らなくても大丈夫です笑。 また、ボルカさんからも更に、政治性と詩作品についてはご意見を伺いたい気持ちです。 念の為に申し上げますが、当コメント欄でのここまでの議論展開は大変有意義なもので、運営者として感謝申し上げます。ありがとうございます。

ロ三 (2018-01-15):

うまく言葉にできないですけど 政治的な感じはしますけど党派性はけっこう避けて書かれてるように感じました

岡田直樹 (2018-01-18):

三浦⌘∂admin∂⌘果実 まさに、おっしゃるように戦メリのようなレクイエムができたらと。やはり30年も経ってしまうとなかなか、覚えている、という方がいらっしゃらないことに過ぎた歳月の遠さを感じました。すこし寂しい気がします。 つづいてのお言葉についてはみなさんでツイッターでゆっくりと(笑)。 三浦⌘∂admin∂⌘果実さん、ありがとうございました!

岡田直樹 (2018-01-18):

口三さま ご指摘されているように、この詩からは作者が、たとえばストレートな反戦派であるかさえわからないと思いますし、体制派か、または中道保守/左派であるかさえも覗き見れないのでは。個人的に、政治的な関心はきわめて高いのですが、詩と直接的に関係づけることは比較的ありません。 コメントいただきありがとうございました!

投稿作品数: 1