車窓
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実験03
小鳥を閉じ込めた 青空の破片が 鳥籠の中で静かに浮かんでいる 溶けた時計の重みに耐えかねて 折れた木の枝よ 緑色の血溜まりに蝿がたかっている 石は輸血されている 隣で兎が涙を零すのだ 地下室の机の上では 心臓の写真集がめくられている 苦しみもがく蝋燭の火を指で掬って 微笑を湛える一人の紳士 砂時計は流れが止まって 何かに打ちのめされたような表情を浮かべている 夜空の無限を手のひらに握りしめた 力強い斜線たちが拳の中から突き出している 葡萄の色をした便器が泣いている 林檎の色をした歌声が流れている 疲れた外灯は自身の光に包まれて 腐った冷蔵庫が足元から溶けていく 丘の上へ銃声は走った マンホールの下では死体たちが蠢いている 輪郭をもたない窓 古木からもぎ取った新鮮な気持ちは空気を孕む 電話は難しい顔をしないでくれ 飛び降りた小鳥たちは ベランダに噛み砕かれてしまった 罪人は星を抱き抱えて幼い夢を見ている どうしてなんだろうと夜空に問いかけてみるが 逃げ道を絶たれた涙は心の底を彷徨うだけ 大きな愛を奏でる暖炉の前で 死に絶えた手紙を その言葉たちが食い散らかしていく 澄み切った瞳が夜空の上で震えている 乱気流に紛れ込んだ星々は点滅しながら 固く閉ざされた水道から逃げ出していく
実験03 ポイントセクション
作品データ
コメント数 ： 1
Ｐ Ｖ 数 ： 1294.5
お気に入り数： 1
投票数 ： 0
ポイント数 ： 7
作成日時 2021-01-16
コメント日時 2021-01-30
Ｐ Ｖ 数 ： 1294.5
お気に入り数： 1
投票数 ： 0
ポイント数 ： 7
作成日時 2021-01-16
コメント日時 2021-01-30
#現代詩
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 2 | 1 |
| 前衛性 | 2 | 2 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 1 | 1 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 2 | 1 |
| 総合ポイント | 7 | 5 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 1 | 1 |
| 前衛性 | 1 | 1 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0.5 | 0.5 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 1 | 1 |
| 総合 | 3.5 | 3.5 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
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- 作品に書かれた推薦文
実験03 コメントセクション
コメント数（1）
清々しさと醜さが同居しているとてもいい詩だと思います想像してみるといろいろな色が見える気がします
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