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生の価値   

作成日時 2019-07-06
コメント日時 2019-07-13

そっと露を被った名無し草で 古びたサンダルが濡れる。 夏の匂いに少し酔いながら まだ明けきらぬ朝を徘徊する。 冷えたアスファルトには くわがたの亡骸。 素知らぬ顔して 車は“それ”を引いてゆくのである。 温かい白熱灯には 生きた、かぶとむし。 笑みを浮かべた 子供らは“それ”を捕まえる。 死した“それ”には目もくれず 生きた“それ”には好奇を向ける。 生きているというのは それほど価値があるものなのか。 髪の毛の先から落ちた汗で アスファルトが濡れた。 もうじきに太陽が昇る 私は棲み家へと踵を返した。


項目全期間(2019/10/23現在)投稿後10日間
叙情性22
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント22
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叙情性22
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
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閲覧指数:731.5
2019/10/23 14時43分49秒現在
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コメント数(3)
yamabito (2019-07-12):

一連目はポエジーを感じました。 この語り手の置かれた立場・・たとえば、年齢とか、いろんなものに興味を持たせてくれる作品ですね。  亡骸・踵・・など、やや今風ではない言葉も多少気になりますが、生の価値という、題材にとても興味深く拝読いたしました。 多少粗いですがまとまりのある、よい作品だと思います。

千才森 万葉千才森 万葉 (2019-07-13):

 生を好む者たちは、捕らえた獲物を意気揚揚とひけらかす。  手にした価値の輝かしさが、己の価値を高めるのだと。  死を好む者たちは、捕らえた獲物をただ粛々と引きずっていく。  手に入れた価値の重たさが、己の命を繋いでいくのだと。  わたしは描写が好きでして。最初の……ああ、一連目と言うのですね、視点と感性の描写だけで、舞台や人物、人間性といった、想像する上で必要な情報を表現できる腕は見事だな~と思いました。  死から生へと切り替わる狭間のような時間に設定しているのもいいですね。

あさぬま (2019-07-13):

最低限の描写で情景と主題を上手く描けていて素晴らしいですね。

投稿作品数: 1