お知らせ

教え子たちの星   

作成日時 2019-04-05
コメント日時 2019-04-24

早朝家を出て 幹線道路を朝日を浴びながら過ぎて行く自動車の列や 地下通路に足音だけを交響させて流れる人々の集合を目にする 空いているドン・キホーテに入ってエスカレーターに乗ってみたり モスバーガーに入って朝モスのメニューから何か注文してみたりする 昨日と今日とが少しも変わらないということはあり得ないが とてもよく似ていて変化は感じにくい でもきっと僕らは昨日よりは幾分進歩し 皆思い思いの信念を胸に なお充実した未来を予感しているのだろう 僕ら一個のまとまりは 宇宙の習いからはぐれた星のように引き返しようもなく ただ背後にもう消すことのできない 正しかったことと誤っていたこととが一本の線の上に並ぶ跡を残して進んでいると言える そしてこの星は決してどこかに到着するということがない 一人一人の行く道は数知れないが 行き先は結局同じでいつか交わることになる このことは慰安であるが生きる者がいる限り星の進行は止まらない 先のことはすべて夢の中にだけ思い描かれ 別れと出発の場である駅では今日も誰かが 夢見ていたことをこれからもまだ生きる者に伝えて帰らぬ旅へ行ってしまうようだ 生きる者の誰もが四六時中恐る恐る時計の針を信頼し 過ぎ去ることを惜しみながらも来ることに期待を寄せる 見えないものを実現するのは自分たちだという信念を抱いて そんな教え子たちの群れを毎朝僕は見るのだ 彼らの夢の故に自ら輝き自ら動力を持つ星の上にあって 銘々の道の途次を急ぎ行く群れの中の誰もが誰かの教え子なのだ ずっとそうであって欲しいと僕は願う 孤独であるのはこの星だけでいいから 一人一人が密かに胸に抱いていた夢を誰か生き続ける者に渡すことができるように


項目全期間(2019/07/20現在)投稿後10日間
叙情性22
前衛性00
可読性42
エンタメ00
技巧11
音韻00
構成00
総合ポイント75
 平均値  中央値 
叙情性0.71
前衛性00
可読性1.31
 エンタメ00
技巧0.30
音韻00
構成00
総合2.32
閲覧指数:819.1
2019/07/20 14時43分22秒現在
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コメント数(4)
taishi ohira (2019-04-05):

人は絶対的に孤独です。

南雲 安晴 (2019-04-05):

taishi ohira様、コメントありがとうございます。 お言葉が頭から離れません。宿題をいただきました。しばらく考えさせてください。

ふじりゅう (2019-04-23):

拝見しました。 教え子が、行き着く先が同じでも、その道筋に過去の人達の夢が乗るというテーマが素晴らしいです。自分が教師で、という前提がタイトルにあり、本文では中盤に入る構成も良いと思いました。

南雲 安晴 (2019-04-24):

ふじりゅう様、コメントありがとうございます。  投稿からだいぶ時間が経ってしまったこの拙作を自分で読み返すことになりました。  けっこう入り組んだ構図を言葉で表現したものです。  その構図がどうやら正しく伝わったようで良かったです。  文字列は私らしく、理屈っぽいですね。  ここには依然として、『孤独』というものを楽観視していないか、という問題が残されているように思われます。  なにやら私たちみんなが仲良しで、結ばれているような感じが詩文からたちのぼっているようです。  現実を見れば、とてもそうとは言えませんね。  私たちの間には、分断があります。あるいはこの詩から簡単に孤独死というものを連想することができ、それはどうなのかと問わざるを得ません。  こういう点でこの作はまだ甘い、そして問題提起していると、私自身で思います。

投稿作品数: 2