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赤いドレスの少女だった君へ   

作成日時 2019-01-27
コメント日時 2019-01-29

足跡がそっと消えてゆく海岸線 ♭の波音 ♯の悲鳴が 茜色滲む劇場に モノクロのエンドロールを齎すから、 名も無きクレジット 水の中の葬列 誰もが赤い目をして、夕暮の傍観者となってしまったけれど 貴女(だけの)バタフライナイフを 鋭利に煌めかせるサイレンの唸りが 感情と感覚の清廉さを揺らす 右手が匿名と司法に隠されし時 左手が自らラストシーンを選択する 心臓の鼓動すら忘れて 沈黙の地下鉄に揺られて何処へ―― 「ここはどこだっけ?」 足音とアリバイが抹消された砂浜 視えない紅蟻が這い回る 崩れゆく薔薇とマネキン 造花のマリア 夢見る機械の涙 ____貴女は赤いドレスを血で拭う 少女の眼のまま、蒼い指先のままで リプレイの無いフィクション 硝子の靴を喪った貴女は その裸足に蛇を搦める ――いつかクレジットに名を刻むことを望んだ君は いつの間にか錆びたナイフを握りしめて 暗い暗い影に抱かれた左手 夕刻が描く水平線の陰画を 君は砕け散った瞳で視ていたけれど やがて降ろされる宵色の暗幕が 全ての終わりをそっと告げた――


項目全期間(2019/09/16現在)投稿後10日間
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2019/09/16 05時33分45秒現在
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コメント数(1)
ふじりゅう (2019-01-29):

 拝見しました。劇場のワンシーンを切り取ったような詩に感じました。♭や♯から、オペラかな、などと思いつつ、そちらの方面にはほぼ造詣がないことがもどかしくもあります。  しかし、後半のシーンはうだつのあがらない少女が、自殺してしまい幕を閉じる、といった風にも捉えることができます。そうなると本作が全く色の違う作品に見えてくることも面白いです。

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