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ジムノペディ   

作成日時 2017-04-30
コメント日時 2017-05-11

死んだ目をした 壺のもんようが赤い 命を差し出した女たちの 盗掘者を埋めた石 後頭部に僅かに残った髪 千年も忘れられていたことを 忘れていた 変調による捻れが吐く嘆息の 半音の意識の針が刺さる場所は 耳斜め上、たましいの位置だ わたしとは違う服を着て 権威の象徴と共に葬られた あなたが見ていたものを わたしが拾う 君の目が青い 誰かを見ていたように 誰かに見られていたわたしの 僕の目に写る君の目が青い 骨はきれいに残った 今世、骨を残さない約束ごとの国に籍を置き後世にわたしの骨を供物出来ない 曲がった背骨の特徴を解説されることもない 何もないところからやってきて 何もないところへ帰っていくだけの 単純な、絶対死ぬ、の例外なき図式を 拡げて丸めてポイと捨てた 道端に転がるアルミ缶より役立たずな いのち いつか死ぬのなら今がいい 雨に音階が届く夜に 最初から誰もいなかったみたいに ピアノだけが鳴っている 欠けた壺の中で白い粉が舞いあがり 覗いたさきで蠢いているものの 正体を知らないままで生きていける ようにつくられた安上がりな脳 薄く切り取った青あるいは赤 あなたの後世のわたしを塗りつぶす岩彩を探している


項目全期間(2019/09/16現在)投稿後10日間
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2019/09/16 05時30分49秒現在
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コメント数(6)
み う ら (2017-05-01):

一読しました。良作だと思います。もう一度読み返してコメントさせていただきます。一度トップへ上げさせていただきます。 あおのみどりさん、投稿有難う御座います。

グーグルグル夫 (2017-05-01):

琥珀に閉じられたヒト、耳奥からのひび割れのような段差のような石の形状を見、魂のひび割れの音を聞き、すごいな、と思いました。 自分を飛び越えて生きた記録が他の存在の意識に写ることを想い、時空を越えました。

まりも (2017-05-02):

壺の紋様、ではなく、もんよう、と平仮名で表記されることによる、読みのスピードの調整・・・「変調による捻れが吐く嘆息の」のような、ワルツに似たリズム、「半音の意識の針」haの音が導いていく、息を少し混ぜていくような質感、右斜め上、ならぬ、「耳斜め上」・・・。音感の豊かな作品だと思いました。 題名そのものも音楽的ですが(あるいは、サティがギリシアの壺を見ている、そのシーンに同化しつつ)「誰かを見ていたように/誰かに見られていたわたしの」から反転していく後半、なかなかスリリングですね。 作品を作る、それを残す、ということに対する永続性(への願い)と、忘れ去られる、葬り去られる、それならいっそ何もなかった、その方がよい、というような、創作家の内面の揺れ動きが表現されているように感じました。

花緒 (2017-05-03):

残るものと残らないものの対比。いつか死ぬのなら今がいい、と挟むのもカッコいいですね。ちゃんと仕上げられた詩を読んだな、と思いました。

kaz. (2017-05-06):

あおのみどり様 初めまして。この度は素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございます。 貴殿の筆力を是非とも私の詩誌チャかシズムで振るって頂きたいと思い、こうして連絡差し上げた次第です。 もし良かったら、私のメールアドレス yuichiminami@gmail.com に、メールをお送り頂けないでしょうか。 失礼なお願いとは思いますが、お引き受けくだされば幸いです。 kaz.拝

百均@B-REVIEW ON/ (2017-05-11):

骨、というと思いつくのは、僕は今九州にいましてちょっとだけ歴史の勉強をしたんですけれども、その中で一番強烈だったのが宣教師達の遺骨が祀られた、今は博物館になっている聖堂の部屋で、あの部屋に入った途端にものすごい禍々しさを感じるんですよね。言葉では形容しがたいものがあって、それは吉野ヶ里遺跡の甕棺墓をそのまま展示した古墳もそうで、兎に角臭いが尋常じゃなく臭い。 骨壷のイメージが作品に蔓延っていて、骨のイメージは多分色々な所で用いられているんですけどね、本作の感触が一番骨をわかっている感じがします。今は出先でちゃんと読めてないのですが、すごく好きな作です。今度再読したい。

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