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【遥か彼方、大地がまだ幼き刻、１人の少女、ラプランカがいた。彼女は、世界に満ちる雨だった。そうして世界を愛し、尊んだ。彼女の愛は世界に根付き、潤し、人々を育む根となった】 …暗き世よ、人の世界よ翳る月の満ち欠けよ碧玉の血が、流れ注ぎ憂き雨が地に降りて。【だがしかし、彼女が育てたものは悪だった。それらは互いに争い、憎み、大地を枯らし腐らせた。彼女は孤独に浮かぶ月と共にそれを呆然と見下ろしす事となる、何度も、そう何度も】鎖に繋がれし時を生き、千もの月を数え、滴の少女はゆっくり氷に成り果てた、美しかった心はそのままに彼女は滅びの歌を編む ((彼女の愛が世界を包む)) 祝福の地は枯れ、海は褪せ、天は燃ゆ。誰しもいない世界で氷となったラプランカ彼女は凍れる瞳で淡く微笑み、ただ1人ありて、静かに悟る【こここそが原罪なき、穢れない唯一無二の静寂の世界、人自ら望んだ理想郷】ー幾千年、暦は流れ、その地に１人の少年が迷いこむ世界を回り、旅をしてきたのだという彼は少女を見て、嘆き、哀れみ投げ掛ける｢どうか人間の愚かしい部分にのみ、囚われないでください。私は色々な世界を巡って、見聞きしてきました。私と共にもう1度、新たな旅を記しましょう｣そうして、少女は死せる都を後にする。少年に連れられ、少女は千の滴の世界を練り歩くそこで、彼女が見たものは千の触れ合い、人々、そうして、そこに根付いた人の心の温かさ彼女の心に雨が降る旅を終えた、ラプランカ再び、死せる都に舞い戻る【ここは只の死せる街、理想郷などではなかったのだ】溢れる涙を胸に秘め、彼女は再び帆を刻む。「それならば、私は千一個目の種へと至りたい。」（（彼女の愛が再び、世界を照らす））

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