飲み込めないものがあった
周りも苦虫を噛みつぶすような顔をして
鼻をつまみ 目をつむって
性急に嚥下している
私も例外でなかったが
「好き嫌いはダメよ」
声が蘇った
これを難なく食べられたなら
笑ってくれるだろうか
一旦思ってしまえば
美味しそうだった
ゆっくり口に含み
舌の上で転がし
喉ごしを楽しんでから
「幸せだね」と微笑んでみせた
チャイムと同時に
トイレに駆けこみ
胃をひっくり返す
ああ 私は悪い子だ
心から不味そうに食べていた
クラスメイトらよりも
誰もいない個室で
私はひたすら懺悔する
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい…
サボってしまった五時間目は
体育だった
給食の後だというのに
皆 横っ腹など無いのだろうか
一心不乱にボールを追いかけている
夕食は 喉を通らなかった
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2025-11-04
コメント日時 2025-11-05
#現代詩
#縦書き
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| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
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2025/12/05 19時57分35秒現在
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おはようございます。 読み進める内に 給食のなんらかの食べ物のことなのか、そこで起きたできごと、なのか あるいは話の内容、なのか。 「飲み込めないもの」 の正体をいろいろ推理しながら読ませて頂きました。 >>チャイムと同時に >>トイレに駆けこみ おそらくこんな経験をしたこと ある人は少なくないのではないでしょうか。 また、周りと比較する心理とタイトル「ごめんなさい」が繋がるように僕には思えました。 詩の中のだれかが震えているというか 見逃せない一作でした。
0コメントありがとうございます。 私自身の嫌なことを食べ物に仮託して生まれた詩ではありますが、「飲み込めないもの」というのは読み手それぞれに抱えるものがあると思うので、自己投影しながら読んでいただけたらな、と思います。 タイトルの考察も、鋭い…!
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