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結露
あなたがあまりに あまりに綺麗に汗をかいているものだから もしやあなたは氷でできた 冷たい透いた氷でできた 完成された氷像なのではと思って 怖くなって 何ともないような顔して触れてみた 結露したあなたが手のひらに溜まって 手相に沿って流れ落ちる 不意に浮かんだのは いつかのいつかの あの湘南の海で 涼しい電車の窓の外 眩しいほどの青々とした海に 幼い頃の記憶が騒いで 通り過ぎるだけだったから また時間がある時に行こうねなんて そんなこと言ってまだ行ってないなって 思ってたら不意にあなたが離れて 鬱陶しいなぁって笑われて 嬉しいなぁって泣きたくなった 夏の桜も 夏の金木犀も 目に留まらなくて寂しいのに
結露 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 579.1
お気に入り数: 2
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-08-26
コメント日時 2025-08-27
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
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| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


何回も読んでいるのですが、手強い詩です。 間違いなく良い詩なのですが、焦点がいくつもある感じで。 また後程、コメントさせていただきます。
1まず、タイトル「結露」。 実は結露の仕組みを知らなかったので、ググりました。 以下、思い付くままに書いていきます。 >嬉しいなぁって泣きたくなった この表現は、私には嬉しくて泣くというより、 何だか、哀しくて泣いているように思えました。 というのも、 >夏の桜も 夏の金木犀も >目に留まらなくて寂しいのに このラストが「寂しい」と表現されているので。 そして、最も悩ましかったのが、 このラストの二行。 夏の夏と、夏の冬があるんだな、と。 この夏の夏と、夏の冬が一緒に溶け合っている部分が「結露」なのだと思いました。 途中、海の記述が秀逸なので、 二人で砂浜を歩いているのだと勘違いしていました。 あなたの氷が私の体温で溶けて「結露」するのが、 とても素敵だと思いました。 一瞬の絆を感じました。 とても佳い詩です。 ありがとうございます。
1「あなた」は夏の氷像のようだと感じました。存在自体が奇跡。だけど「あなた」は確かにそこにいる。夏の眩い青と清涼感のように、どこまでも透明で広がる愛情を感じました。
1こんばんは。 ぱっと文字を追った瞬間に、惹かれる文というのがあるのですが、この詩はそのタイプでした。 >>あまりに綺麗に汗をかいている という描写が既に次の連に出てくる氷を想起させるような氷の汗が垂れる感じといいますか、そういった手触りを感じます。 手相に沿って流れ落ちる、という表現も月並みではなく、肌触りがあります。 氷を砕いた後のように肌理の細かく「結露」のように溶けてはまた読み返したくなる詩だと思いました。
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