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檻
全にして一 かつて私だったもの 全にして一 かつて私たちだったもの 全にして一 いまも満ち満ちているもの 全にして一 太陽とすることすらおこがましいもの 全にして一 私には檻が与えられたの 全にして一 檻の中からしか見えない景色がある 全にして一 これを見せたくて、私に檻を与えたのね 全にして一 檻のないあなたには何も見えないでしょう 全にして一 私の檻が海へと沈められた 誰が沈めたのだろう、深く、深く 深く、深く、深く、深く これがあなたの見せたかった景色なの? 息ができない 全にして一 私があなたをはじめて見たあの時 全にして一 あなたは私に檻の鍵をくれたのね 今その鍵を使う時が来た 「一」 私の檻から、「一」が見えた 「一」 私とあなたは見つめ合っている 「一」 私が鍵を使ったら、あなたは何を見る? 「一」 私はあなたの檻の鍵を持ってはいない 「一」 あなたを檻から出してやることはできない 全にして一 私はこんな景色を望んではいなかった 全にして一 あなたは白痴 全にして一 鍵のありかは、私の手のなか 私は鍵を投げた 「一」、私と同じ、私ではない、「一」 檻を捨てた私があなたの景色に残るのが嫌だった 「一」 私はあなたを恨むかしら 全にして一 あなたの知らぬこと 全にして一 私があなたを見ることができている限り、あなたはあなたではないのでしょう
檻 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 367.9
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-08-06
コメント日時 2025-08-07
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


こんばんは、 終始 「全にして一」というフレーズが引っ掛かるような仕掛けですね。 >>全にして一 >>私があなたを見ることができている限り、あなたはあなたではないのでしょう このラストが好きです。感覚的には深く理解出来ます。
0ぼんじゅーるさん 哲学的な思想が背景にあるので、理解してもらえるかという点で不安でしたが、わかってもらえて嬉しいです。ラストで「全にして一」の素性を明かす構成になっているので、そこに気付けた審美眼に敬服します。
1『檻』 ? 哲学者? 全にしてー 「陣笠に王」最後にはこの全がゲシュタルト崩壊してしまいました。 ああそうか。 陽のあたらない月の裏側。 最後まで見ることはない。 あなたがいてわたしもいる。 それは腹と背中を合わせた同一で、しかも表裏一体のもの。 一生交じり合うことのない全て…
0メルモsアラガイsさん 核心をきちんと受け取ってくださって嬉しいです。
0素晴らしい秀作ですね!鍵を開けあう二人、でも、最後はハッピーエンドなのかどうか僕には 自信を持って読めませんでした。そんな二人だけれど、確実に互いを思い合っていることは、 間違いないですね。
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