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怒り
胸の奥に何がが詰まった。 誰かが意味もなく吐いた言葉だろうか。 いつもは耳から流れていくはずの言葉が頭の中で反響している。 頭の中で言葉が繰り返される度、その声は大きくなっていく。 唾は思うように飲み込めず、胸の中はやけに息苦しい。 頭の血管が軋み、鈍い痛みが思考を遮る。 後頭部から流れ出した熱が体全体に行き渡って、 僕を支配しようとしている。 僕は「怒り」を感じているのだ。 何に怒りを抱いているのかは分からない。 ただ、体を支配しようとする大きな力に体を預けたい気分だった。 でも、それは無理だった。 怒りは何故か外に出てこなかった。 そして、胸のざわめきだけが取り残された。
怒り ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 514.8
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-07-01
コメント日時 2025-07-10
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


凄いリアルですね。怒りの強さが伝わってきます。嫌なこといっぱいあったんですね。
0では返詩を。 僕は「怒り」を感じているのだ。 何に怒りを抱いているのかは分からない。 すると 「毒の根であり最上の甘味である怒りを打ち滅ぼす事を、聖人は称賛する」 そこに誰かが歩いてきた。言葉を発しながら。 釈迦だった。 釈迦が目の前をよぎり、立ち去っていった。 見ると、その足跡に多くが歩きだしている。 足跡が多く、さらに残されていく。 足跡が、道へと変わっていく。 その道へ、踏み入れると言葉を感じる。 あれだけ反響していた大きな言葉は、 怒りを生み出し続けていた言葉は、 釈迦が遺しただろう言葉へ変わっていく。 何故か出てこなかった怒りは、存在しないものだった。 僕を支配しようとしているものは、釈迦の前では小さかった。 多くの先人たちの前では。 「努め励むのを楽しめ。心を守れ。自己を難所から救い出せ」 釈迦の声を聴いてみよう。 怒りの声は所詮、小さい。
0頭の中の声。その正体は何か。怒りを感じている僕。胸のざわめきがどうなるのか、続きが余韻なのかもしれません。
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