明るく振る舞うよう、そう教えられてきた。
人前で泣かないように。
影を見せないように。
歩く度に影は伸びていくのに。
一生切れることはない。
痩せても、太っても。
時には立ち止まってみたりもした。
まったく君はおもしろい。
顔は見せないくせに真似ばかりして。
どっちか本物かいつか勝負をつけよう。
だが今は君だけが頼りなのかもしれない。
やっぱりいつか無くなってしまうものなのかい。君は。
深海を泳ぐヘンテコ顔の魚の剥き出しの肛門から
小便小僧が出す小便の終わり際のように
人が朽ちていく様。
私という私が固唾を飲んで見守る。
私が吸い込まれると分かってから、悪いことをした子どもが世界の狭さを知らないので、そのときがいつかくることを知らないので、内心びくびくしながらも平然とするようにその渦は生まれた。
衛星画像になんて決して写らないほど。
右回りに体がぼうっと進んでいくような感覚。
ぬるくなったり、冷たくなったり。
その渦が視界を占める範囲が次第に広がる。
意外と悪くないのはなぜだろう。
でもちょっと抗ってみたくなった。好奇心。
流れは速くなるのに、激しさは増すのに。
もう選択肢は残っていないと思っていたけど。
神様がいるなら聞いてみたい。
神様っているんですか。
彩度が少しずつ。ほんの少しずつ。
血脈の上を光が走るので、時々橙色に見える。
今はまだこれでいい。
今は。
不安定の中にも秩序が生まれた。
借宿に棲むのにノックはいらない。
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 471.6
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作成日時 2025-07-01
コメント日時 2025-07-04
#現代詩
#縦書き
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
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2025/12/05 19時55分08秒現在
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何となく渦は、逃れられない運命のような気がしました。 好奇心。 とても大切なものだと思います。 シメがとても良いです。 >借宿に棲むのにノックはいらない。 かっこよいです。 ありがとうございます。
0コメント下さりありがとうございます。 逃れられない運命、というのは割と近いと思います。そのとき自分が置かれている状況的に受け入れるしかなかいものや、認めざるを得ないものというニュアンスで書いたので。加えてニヒル的な意味合いもあります。それは「衛星画像になんて決して写らないほど」という表現をしてみました。ニヒルなので無価値=ゼロ(受け取り方次第ではマイナス)であるけれど、どのように向き合うかでその渦にも価値が生まれる(プラスに変わるかも)可能性がある。それを受け入れた上で別に何もしなくてもいいし、何かしたって何もならないかもしれないけど、どうなるかは証明はできないので自分自身がどうするのかどうしたいのかを伝えたかったのだと思います。好奇心は人に説明できるものではないけど、何かする上で大切にしていきたいですね^^ 「仮宿に棲むのにノックはいらない」は居候のことでもなく不法滞在者の話でもなく、受け入れざるを得なかったものにあえて抗ってみたというある種良い意味での自分自身に対するわがままさ、傲慢さ(少し言い過ぎです多分)を表現しました。単なる好奇心で抗ってみたという自分を肯定したかったのかもしれません。 (※コメント下さったお陰でテーマがわかった気がしました。子どもから大人というものに成長していく、その自立していく過程みたいなものがテーマなのかもしれません。まだざっくりですが笑。見ていただきありがとうございました。)
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