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梅雨の蚯蚓
梅雨の狭間に浮かれた蚯蚓はアスファルトで干からびる。 脈動する身体を動かし、微かな雨露の染みに悶え、喘ぎ、地面が固く蓄えもないことを知る。 骸が溺れたように伏している中、一対の蚯蚓が渇きに耐え、鈍重な身を這わせる。 渇きに耐えた巨大な身体は慣れぬ地に馴れず、喘ぎは一層ひどくなる。 喘ぎに応えるものはなく、一対の蚯蚓は何処とも分からず、微かな潤いを求め征く。 あくる朝。 蚯蚓は、その死骸はアスファルトの小さな腫れのように黒ずんでいた。踏まれたのか引き延ばされ、胴体に走る横縞が辛うじて判る。 空は晴れていた。 カンカンとさえ渡るじゅくじゅくと身を焦がす太陽が昇っていく。 ゆっくりと影は動く。 彼岸の蚯蚓の小さな安寧の終わりは近い。 やがて蚯蚓の死骸が日の下に晒される……。
梅雨の蚯蚓 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 343.4
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投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-06-22
コメント日時 2025-06-22
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


今の時期、川のそばや、畑や田圃など、公園のそばなどもそうかもしれませんが、とにかく土のある環境の傍では、アスファルトの上で、干乾びたり、間違えて出て来て仕舞った蚯蚓をよく見かけます。この詩では梅雨の蚯蚓。干乾びてしまう蚯蚓を想像してつらいのですが、この詩では~までと言う感じで進んでいくプロセスを楽しむしかないのかと思いました。
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