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二番手というのは
ほう、君は二番手がお好き、と。ふふ、酔狂なことを言うねえ。 一番の連中にはない、人間臭さや、まあ、なんだ、傷に寄り添うような心がある。 というのか。 なるほど、君の言うことにも一理あるような、ないような…そんな気もする。 一番の連中というのは、どうにもいけ好かない。 完璧すぎて、まるで作り物みたいじゃないか。 そう、陽の光を浴びて、一点の曇りもなく輝いている…そんなものは、私のような日陰者には眩しすぎるし、そばにいるだけでこちらの卑小さ、醜さが鏡に映されたようで、息が詰まる。ああ、疲れる、実に疲れるのだよ。 それに比べて、二番手というのは、どうにも放っておけないのだな。 一番になれなかった、あの、どうしようもない悔しさ、焦燥、諦観…そういう人間の業(ごう)のようなものを、その背中にしょい込んでいる気がしてね。 だからこそ、他人の痛みなんぞにも、妙に敏感だったりするのかもしれん。 不器用で、どこか間が抜けていて、欠けている。…それが、なんだか、こう、ぐっとくるというか、いじらしいというか…ああ、上手く言えないがね。 この私かい? ふん、私のような男には、一番のあのきらびやかな輝きなど、縁のない代物さ。 むしろ、日陰の隅で小さくうずくまっているような、そんな不完全で、薄汚れたような存在に、どうしようもなく惹かれてしまうのだ。 …ああ、結局、君と同じ穴の狢(むじな)というわけか。私もまた、選ばれなかった者たちの側に、立っているのかもしれないねえ。ふふ、我ながら、なんだかおかしくて、そして少しばかり、悲しくもあるな。
二番手というのは ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 444.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-04-24
コメント日時 2025-04-25
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


実際は、二番手という位置取りは、とても良い位置取りです。 陸上の中長距離、マラソン、競馬、競輪、オートレース、スピードスケート。 それらは多くの場合、先頭を風避けやペースメーカーとして使い、 先頭が体力と気力を削り取られてバテてくれは、そこから二番手が抜け出すという位置取りです。 この詩の場合、 二番手は鬱屈しており、日陰の存在だと言っておられるのですが、 私は、二番手でもなく、 その他大勢の一員として、できれば縁の下の力持ちになりたいです。 ありがとうございます。
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