『貴女に愛の成る木をあげましょう』
あの人がくれたその苗は、
それはもう綺麗に輝いていました。
『こんな肥料をあげなさい』
あの人が言ったその栄養は、
素晴らしい効果を発揮しました。
『ここからは自分で育てなさいね』
あの人がそう言ってから私は、
ちゃんと木に成るよう頑張りました。
言う事を守っていたはずなのに
一番に見ていたはずなのに
いつしか「栄養」はあわなくなって
苗はだんだん枯れていきました。
「あの人の教えが悪かったんだ」
私はあの人を憎むようになりました。
あの人の言う事を聞かなくなって
しばらくたって私はようやく
私は友達に出逢いました。
大切な人を見つけました。
気付けば愛の果実が成って
誰かと分け合いっこしたくなった
幾つも実はならないけれど
両の手で抱きしめてゆけると思った
あの人がくれた苗は
もうとっくに枯れてしまったけれど
あの人がその名を教えてくれたから
此処で自分の愛に出会えた
そうして大人になって贈るのは、
月並みな感謝の言葉。
「育ててくれて、ありがとう」
作品データ
コメント数 : 4
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作成日時 2025-03-20
コメント日時 2025-03-20
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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2025/12/05 18時15分17秒現在
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木が育つのを邪魔するのは、煩悩だと思います。詩を書くことに、嘘は書けません。 次第に愛を実らせる力量と経験、事実を持ったとき、心が満たされて、 やはりそういったことを抜きにしては、現実に詩人にはなれないんだという 感慨が持てるのかな、と思ったりします。みんな、やるべきことがあり、 導きと成功の人生を、徐々に歩きはじめるのかな、と思いました。 育てるということは、人間の能力の中でも、愛抜きにはできないことですね。
1こんにちは。 「おやこ」というタイトルがなければ、 恋人同士なのかな?と思いました。 木が枯れてしまうのは、必然だったのではないでしょうか。 貴女が成長すると共に、同じ栄養でも「栄養成分」は変わってしまうので。 余談ですが、漢字で「親子」だと、丼みたいですね。 ありがとうございます。
1コメント、ありがとうございます。 恋人同士。私には無かった視点ですが、そのように考えて読み返してみるとまた違った発見がありますね。 ありがとうございます。 木が枯れた、その時は何かと理由をつけたくなるものですが、後で振り返ったときに、必然だと思えるその考え方がとても素敵だと感じました。 おやこを平仮名にしたのは、無意識に親子丼を思い浮かべたからかもしれませんね。 貴重なコメント、ありがとうございます。
1コメント、ありがとうございます。 確かに、「あの人」のせいにした私は、どうしようもなく子供だったのだと思います。 そのときは、目の前にある真実をみることができなかったのですね。 人を育てるということに、愛は必然のもの。 しかし、注ぐ愛の大きさと注がれた人間の成長に果たして関係はあるのでしょうか。 そんなことを考えさせられたコメントでした。 ありがとうございます。
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