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ビールみたいに運ばれて   

作成日時 2017-06-19
コメント日時 2017-06-30

ビルがビールみたいに運ばれて 泡をくっ付けて聳えてるけど 飲み干しても 飛び降りても 埒があかない ビルのなかで泡吹いて仕事することも 何階ですかと尋ねられることも ビールみたいに運ばれてくるだけで 最後はどんどん片付いて 長いテーブルの向こうの絵みたいに一枚 僕が掛けられている 次の宴会が始まって 絵は人のように見ている ビールみたいに人もどんどん運ばれて どんどん片付いて 泡みたいに爽やかな白になる 新しいビルが聳える頃に 絵も捨てられて 僕は結局ビルのなかで 運ばれてくるビールみたいに泡吹いて 綺麗に片付いていくだけ そんなのは嫌だ という 泡みたいなはなし。


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2019/09/17 23時57分18秒現在
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コメント数(5)
花緒 (2017-06-20):

とてもうまくまとまっている一作ですね。サラリーマンといえば、ノミュニケーションが一般的ですが、宴会というと、必ず、とりあえずビールになります。私は、宴席もビールも好きではないので、ビールとビルの言葉遊びを使いながら、宴会の光景を諧謔を交えながら描く本作、響くものがありました。ビールの泡のように、軽妙なタッチが心地いい良作かと。

まりも (2017-06-23):

浅草のあたりにある、金色の火の玉のような「ビールの泡」を表すという飾り?を屋上に乗せたビル、を、一瞬連想しましたが・・・ビルがどんどん建てられていく「都市の歴史」をタイムラプス映像で見ているような感覚にもなりました。 〈長いテーブルの向こうの絵みたいに一枚 僕が掛けられている 次の宴会が始まって 絵は人のように見ている〉 この部分が秀逸と思いました。僕、自身を客観視して見つめる語り手の視点。それもまた、僕、であるには違いないのですが、創作者の僕ですよね。流れて来る仕事を片付けているのか、自分自身も片づけられていくのか・・・そうした、社会でもまれている働き手の僕、を見ている詩人の僕。

百均@B-REVIEW ON/ (2017-06-30):

 一読して、いい作品だなぁと思いました。  最初、ビルとビールというダジャレから始まって、それが泡で完結している。  そう、滑ってないんですね。単純な言葉遊びから始まる深刻さみたいなものを軽くする事に成功している。ビールの泡を口に付けて一気に飲み干した時の軽さに似た文体。 >ビルがビールみたいに運ばれて >泡をくっ付けて聳えてるけど >飲み干しても >飛び降りても >埒があかない  ビルをビールに見立てて、そこから吹き出る泡と、そこから飛び降りる人間が重ねられています。埒があかないと呆れている所もポイントです。そんなことよくあるよねみたいな軽さで重い事を語られている。 >長いテーブルの向こうの絵みたいに一枚 >僕が掛けられている > >次の宴会が始まって >絵は人のように見ている  ここが本当に不思議な感じです。「絵は人のように見ている」っていう距離感、ここはまりもさんも触れていると思いますが、秀逸だなぁと思います。  それから、泡の使い方が巧みです。 >泡をくっ付けて聳えてるけど >ビルのなかで泡吹いて仕事することも >泡みたいに爽や かな白になる >運ばれてくるビールみたいに泡吹いて >泡みたいなはなし。 全部出てくる泡の使い方。最初は泡がくっつている。次に泡吹きながら仕事する自分。次は、真っ白い泡みたいに白紙になる。つまり全部なかった事のようになってしまう事を指している。次に、運ばれてくるビールの泡が吹き出す状態に再度語り手が投影され、泡みたいに消えてしまう物語のオチとしての泡があります。 >そんなのは嫌だ >という >泡みたいなはなし。  ささやかな抵抗もビールの泡みたいに片付けられてしまう。というこのあっけなさが、凄く悲しい。でもそういうのが現実だよね、というドライさが、ビールでもあるよな。みたいな感じで凄く好きなオチです。

蛾兆ボルカ (2017-06-30):

こんにちは。 ちょっと面白い詩だな、と思いました。 比喩を逆にしてみると、しないより、よっぽしっくりくる場合があります。 たとえばビアガーデンでビールを飲んでいて、ふと、ビールのジョッキってビルみたいだなぁ、と思う。 でも、ビルみたいなビールってのは、詩としてはなんかイカシていないなあ、と思ったりして、逆にしてみる。 ビールみたいなビル、と言ってみる。 そんなことを僕は時々やってみたくなります。そうすると、思いがけなく、しつくりきたりも、時々は、します。 この詩は、もしかしたらそんなふうに書かれたのかな、と、楽しく空想したりしながら、僕は読みました。

エイクピア (2017-06-30):

長いテーブルの向こうの絵みたいに一枚 僕が掛けられている こんな箇所がユーモラスでした。ビールは夏の季語ですし、そういう意味でも読めた詩でした。

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