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魅惑の空腹   

作成日時 2019-08-03
コメント日時 2019-08-20

そこまでのことか、と。 あぁ。そこまでのことなのか、と。 結局、私はアブラゼミなのだ、と。 姿を消して、劈く声だけ。 はた迷惑だけども、さほど気にもされず。 それでも独り喚き散らさずにはいられない。 泣き声なのか、怒声なのか。 仲間を、助けを、求める声なのか。 明日も喧騒の一部へ。 悔いるモノも無く、欲するモノもなく。 否、本当はあるんだが、ぼやけてうまくつかめない。 それを私は、前足をのばさず、そのままにした。 「不安定なままが綺麗なんだ。」 なんて言って、嘘なんだ。 ほんとは、怖い。いいや、恐れ多い。あぁ許してほしい。 勝手に触れて、口をつけて、食べきれなかった私の我がままを。 出来たら何も言わないで、そっと私から、あなたを消して。 ごめんなさい。それでも、お願いを聞けないかな。 グゥ・・・ の音は、私とは遠い所で鳴って。 でも、きっと、風に乗って、バレちゃうかも。 あぁ、また、私はエサを求めて、醜く鳴いちゃうんだろうな。 ごめんなさいね。ごめんなさいね。 へへへ。


項目全期間(2019/11/22現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ11
技巧11
音韻22
構成00
総合ポイント44
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ11
技巧11
音韻22
構成00
総合44
閲覧指数:572.0
2019/11/22 20時20分18秒現在
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コメント数(2)
yamabito (2019-08-04):

ユーモラスな感じで、でも、筆致がおしゃれですね。 意図して文体をコントロールできる術をお持ちのようですね。 おもしろい作品でした。 (あっ、特別お返しコメントというわけではありませんよ、悪しからず)

ふじりゅう (2019-08-20):

陰鬱な描写を陰鬱なまに放出した作品とみることができた。クマゼミでなくわざわざアブラゼミを選んだのは、社会的に疎外感を受けていると認識している主人公の自覚無き表れなのかとも思えるし、またセミにたとえたことで「なく」を、作中でも述べてある通り怒りなのか、泣きわめくことなのか、その他様々に解釈できるゆとりを持たせてあると考えた。

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