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微熱   

作成日時 2019-04-22
コメント日時 2019-04-30

干からびきって 雲のひとつにわりこんで 思い出せないくらい昔から流されていましたと言いふらしてみることを考え始めた頃に やわらかい季節のいいかげんな思いやりは私を湿気させて 呼吸しなさいと呼びかける 喉の奥でかさぶたになってもう出てこない気がしていたのに ここのところは無理矢理な陽気ばかりが射し込むから 気ままに尖ったかがやきを差し込んですうと引くなら からまりきった言葉たちが申し訳なさそうにはにかむだろうな そして はる はる と流れ出していく ちっとも春じゃないよ はる、はる どうして置いていったの 決められたやわらかさがだれ始めても むせ返る熱気で飴玉溶けだすときになら穴の底に落ちきって安心していた 水飴になったどろりと絡まり舐めあっていると いつのまにか焦げ切った木々がざわめいて 虫たち集まる落ち葉には縮こまるゆとりも見つからない ざわめきが止んで唐突な白銀はみんなの黒目が持っていかれた証拠 目の眩むイルミネーション 新しい年の喧騒 誰にでも分かるようなことだけに振り回されて クラゲのような陽炎も ひたすら探し狂うひまわりも また見れると信じ込んで放り出す 黒目が無くなったフリをしながらときおり振り向けば 道端の空き缶から泣きそうに淡い 見捨てられた埃のようなメロディー 口ずさみながら はる はると喘いでいれば そのうち救いようもなくなまぬるい風にさらわれて 暫くここにいていいんだよと許される 微熱の中では 置いていかれたことも無くなったものも さだめだった これはおとぎばなしではなくて 頭痛のリズムで進む雲が物語っていた さだめのなかに沈み込むまであとどれくらい刻まれればいいのかと聞いたとたん黙りこんで 絵画と見分けがつかなくなっても できたての傷の赤さは痛いくらいの夕暮れ


項目全期間(2019/12/14現在)投稿後10日間
叙情性22
前衛性11
可読性33
エンタメ33
技巧33
音韻22
構成22
総合ポイント1616
 平均値  中央値 
叙情性0.40
前衛性0.20
可読性0.61
 エンタメ0.61
技巧0.61
音韻0.40
構成0.40
総合3.23
閲覧指数:744.3
2019/12/14 17時56分32秒現在
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コメント数(2)
南雲 安晴 (2019-04-23):

 これぐらいの文字数が、作者にとっても読者にとっても、作品を一望することのできる量であろうし、人に、読んでみようかな、という意欲を催させる量でもあるか。  それで読んだところ、意味を取れなかった。でも、ここには確かに日本語で表現されたものが一定量あったのだし、せっかく目を通し、黙読もしたのだから、評を残そうと思う。  意味が取れなかったけれども、作品が意味の取れる文や語句で創造されなければならないというわけでもないから、意味を取ろうとするのではなくて、触るように、あるいは見るようにとか聞くようにとかして鑑賞する手もあるだろう。  この『微熱』という作品は、見たところ、六つの連に分かれている。  まずは言っておこう、第三連の『飴玉』の後、『虫たち』の後、それから第四連の『メロディー』の後で助詞を省いたのは、失敗だったと思う。  全体を触るようにして読んでみると、第四連までの感触と、その後第五連、第六連の感触が異なっているように感じる。前者は良い、後者はダメ、という感じである。  ものを書くためには、何か異変を感じる必要があると思う。不良になる必要があると言ってもあまり違わないと思う。そして私がこの作品の第四連までは良いと言ったのは、そこまでは何か異変を感じている、不良になっている、そういうような感触を受けるからである。それに対し第五連、第六連は、そこまで持ちこたえてきた不良的な基調を壊していて、優等生が書いたようである。『暫くここにいていいんだよ』とか『さだめ』とか『夕暮れ』とかいった言葉は、作品によっては生きる言葉かもしれないが、この作品では生きない。  でも、この甘さが、『微熱』をあらわしているのかな。  良い詩句もいくつかあった。  ポイントは、〈エンタメ〉〈技巧〉〈音韻〉〈構成〉のそれぞれに1ポイントずつ入れる。

夏野ほたる (2019-04-30):

南雲 安晴さんこんにちは!タイトルだけ突き抜けていて作品は落ち着いてしまっていたとか一部が道徳的で勿体ないとかよく言われます。変なまま走り抜けるくらいの気持ちで居たらいいのかもしれませんが、変なもの・不良的なものをわざと書こうとしている訳では無いのでなかなか難しいです。意識できるように頑張ります。アドバイスありがとうございました。

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