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終幕
迫り来る天井 這い寄る影 狭まる視界 虚ろな逃避行 何もかもが上手くいっていた、という自覚が 何も上手くいかない現状を蝕んでいる 自分にしてはよくやった方だ すべてが滑らかに、優しく、 当然のように進んでいた そんなはずだった 自ら終わらせることもできただろう その選択肢もないわけではなかった しかし、 もったいないだの、二度とないだのと、 無駄な言い訳を並べ立てているうちに、 選択を誤った 取り返しのつかないミスを犯した 先を越されてしまった 何かすると終わる 何もしないと終わる 話しても終わる、信じても終わる 向き合っても終わる、隠しても終わる 後回しにしても終わる、繰り返しても終わる 何をしても終わる どうせ終わる、いつかは終わる 終わる、終わる、終わる… 終わった 自分の不動が相手を変貌させ 相手の無言が自分を痛めつけた そんなどうしようもない無限が 頭の中を蠢いて掻き乱す ついに壊れたのか すんでのところで持ち堪えたのか そんなことはどうだっていい ただ、この、 しだいに何も感じなくなっていく虚無を 慣れという名の麻痺と言うのだろう これが本当に麻痺なら… そのうちまた、 痛み出すのだろうか 疼き出すのだろうか それなら… いっそ ── 終幕
終幕 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 355.9
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-10-03
コメント日時 2025-10-07
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


終幕まで、しっかりと問い詰めて、問題を考えておられて、その内容がなかなか面白かったです。自分の行動と行動しないことと、結果が導けないこと。この先に、血路が開けるのか、開けないのか、とても大事な時期ですね。
1どうしようもないほど追い詰められたときの心情が生々しく表現されていると思いました 過去と将来に追い詰められて、今のすべてが上手くいかないような絶望感… >>何もかもが上手くいっていた、という自覚が >>何も上手くいかない現状を蝕んでいる ここに一番共感しました
1終わると言う事に対する恐れ、終わると言う事に対する不安。終わったと言う認識。様々な終わりが、終わると言う事が、開陳されて居ます。終幕(フィナーレ)が静かに宣せられました。
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