湖の中で生きる海月もいるもんだと思い手を伸ばしてみると、
それはただの花弁でした。
近頃、雨が降っていたから咲いたのです。
雨ざらしの水面が波紋に揺れる間も、ここは静寂そのものでしたから、
知らぬ間に命が満潮を迎えていたことに僕はとても驚きました。
昔、言葉を喋る植物の話を聞いたことがあったので、
ひと言「きみはどこへいくのかい」と話しかけてみました。
植物ですから、きっと深い水中に花弁へ繋がる茎を伸ばしているのですから、
これも僕と同じようにどこへも行けないはずなのです。
それなのに「なあ」とか「おい」とかいくら話しかけても返事をしないので、
いらいらとしてきました。
とうとう、花弁の一片に触れてみると、
それは少しこちらへ身体を揺らした後ゆらゆらと浮かぶばかりでした。
作品データ
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作成日時 2025-02-06
コメント日時 2025-02-07
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
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2025/12/05 19時58分30秒現在
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美しいです
1ありがとうございます
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