作品投稿掲示板 - B-REVIEW
重要事項
お知らせ

秋の牢獄   

作成日時 2018-02-07
コメント日時 2018-03-24

「秋の牢獄」 足下、永遠に拡がる透明 靴を履くことを許されない私は その冷たさに痛絶を憶え その美しさに憧憬を抱いた 透き通った水牢で金魚が踊る 彼らに絡みつく紅葉 心臓色 星屑色 密林色 水の中で彼らと彼女達は 艶やかな刹那に狂っている いつか瞳が濁りきってしまうまで やがて土気色に変換されるまで 血染めのボーダーラインシャツ 誰そ彼時も隠せない私の赫色に 小枝と灯油が投げかけられる 炭化した太陽を望んでいるような 皆そんな表情浮かべている (気がした) 私の澱んだ目に映るのは 誰もいない骨折したベンチ 水死体を揺らす錆びたブランコ 鬼しかいない、かくれんぼ 枯れ枝の有刺鉄線に泊る鴉は 生きているのか死んでいるのか 透明な世界に塩素剤が流れ込む 冷熱は常温へと向かい 純水はソーダ水に変わり 氷牢に修復不可の罅が刻まれる 特赦だ! 恩赦だ! 叫ぶのは死蝋と枯葉 嘆くのはダンスホール 私は境界線を纏ったまま 彼らの声をぼんやりと聴いている 無表情のまま 無感情のまま 秋の牢獄を彷徨いながら――


項目全期間(2019/12/12現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:160.2
2019/12/12 08時47分09秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。



コメント数(6)
沙一 (2018-02-09):

秋の牢獄… 苦悶に囚われているぐらいなら、いっそのこと、 死の冬を期待してしまう。 しかし、この詩の人物は逃れることもできず、 秋のままの牢獄を彷徨い続けるしかないのだと、 痛切な心情を感じる作品でした。

北村灰色 (2018-02-12):

沙一さん コメントありがとうございます。 痛切な心情、それは確かにそうだと思います。 秋の牢獄は嘗ての自作曲のタイトルでもあるのですが、その曲を作った刹那と同じ感情や想いが過った時と自らの書き表したい言語表現とリンクした瞬間にこの詩は生まれました。 冬は死の色に浸されているけれど、始まりはや生の光は無いような気がするし、失っていくばかりだって、そんな感覚はずっと抱いています。https://youtu.be/fq0UaC0aWdA

まりも (2018-02-19):

一連目の鮮やかなイメージの乱舞、二連目のディストピア的世界観を被写体として捉えるカメラマンのような目線が面白かったです。 三連目・・・透明なイメージの中で、静かに沸騰していく気持ち、のような感覚でしょうか。1連、2連が視覚的イメージなのに対して、3連目は体感とも言い切れず、視覚世界とも言い切れず・・・形の無い世界を彷徨う感覚を、観念とイメージを結びつけながら言葉にしようと試みている、そんな試行を感じました。

藤 一紀 (2018-02-20):

いいですね。とても面白いです。 この作品は連構成はまだしも、行分けでなければならなかったのでしょうか。そこがちょっとだけですが気になりました。

北村灰色 (2018-03-24):

まりもさん コメントありがとうございます。 カメラマンのような目線、確かにそうですね。 現実でもそうなのですが、レンズ越しに見える世界と肉眼で見える世界は結構異なるというか、心象や機械の関係もあると思うのですが、そこに於ける(異なった)部分を極端に装飾・増幅して文で表しました。

北村灰色 (2018-03-24):

藤一紀さん コメントありがとうございます。 連構成や行分けは特に意識しないで書いたので、見返すと確かに違和感があるような気がします。 。

投稿作品数: 1