お知らせ

春とバナナとシーラカンスの速さ   

作成日時 2018-01-15
コメント日時 2018-02-03

やっぱりシーラカンスは 水の中でじっとしている 静かな静かな海の底 エンジンが故障しているからだ  わたくシの計算したところによりまスと  マグロの三十倍ぐらいのガソリンを  こやつは必要とするのでありまス  マグロの三十倍ぐらいの回転速度が  が、しかシ、 そもそもエネルギーが足りないの 朝食は何でもいいから食べなさいと バナナ一本でもいいからと電話口の母は言うが いったいバナナなんてどこにあるんだ 上になったり下になったりして もっとゆるゆると過ごしていたいのに 電話が終わるのを待ってもくれない 近頃はせかせかしてばかり そうか もう二人でなくてもいいということか 風が 強く吹くことが多い なぜ何もかもせかせかと急いているのか 各駅停車が徐行運転するような そんな速さでありたいのに 洗濯機の脱水が終わる間際の そんな回転の速さでありたいと願うのに 週末の雨風で桜は満開の前に散ってしまう 花びらをビールで飲み込んだ春が行ってしまう 商店街を抜けようとせかせかと歩く後ろ姿 追いつけない 追いつこうとも思わない 私の顎が上がっているのは 猫背と鼻眼鏡と 隣の人との身長差の相乗効果だと だったのだと 言い訳をする シーラカンスでもそうするに違いない  わたくシは故障などしておりませン   わたくシは故障など、    しかしエネルギーが、     が、しかシ、シか、シかシかシか だって地面に落ちた花びらはまるで びっしりと魚の鱗みたいだから 地球ぐらいでっかいシーラカンスに乗っかって 季節はゆっくりと回転する 誰にも気づかれないくらいゆっくりと 自分さえも気づかないままに回転する ※2014年


項目全期間(2019/09/16現在)投稿後10日間
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2019/09/16 05時33分56秒現在
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コメント数(8)
5or6(ゴロちゃん。) (2018-01-15):

ついさっきにドラマの海月姫を見たからか、なんかシーラカンスのオタク女子が薄暗い水族館で水槽前でブツブツ呟いている姿が想像出来ました。 それが可愛く感じました。 好きなタイトルと空間でした。

survof (2018-01-15):

<だって地面に落ちた花びらはまるで びっしりと魚の鱗みたいだから> この感性、とても好きです。

桐ヶ谷忍 (2018-01-16):

こんにちは。 この詩、とても好きです。 のんびり急かされずにマイペースで歩きたいのに、周りの人がどんどん自分を追い抜いて行ってしまい、歩調を合わせようとは思わないけど、取り残されていくというかなしみには覚えがあります。 というか、私が常日頃かなしんでいることを代弁して下さっているようで、それで、この詩に寄り添われているような気持ちになって好きだと思ったんです。 いくらせかせかしたところで、どうせみんなシーラカンスの上(シーラカンスを取り上げるセンスには素晴らしいとしか…)に乗っているのにな、というある種の冷めた見方も凄く格好いいです! 好みの詩に出会えて朝から上機嫌にさせてもらえました。

こうだたけみ (2018-01-17):

5or6(ゴロちゃん。)さんへ コメントありがとうございます。 残念ながら中の人は芳根京子さんには程遠い見た目でございますが、作中人物を可愛いと感じていただけたのはうれしいです。 5or6(ゴロちゃん。)さんにとってちょうどよいタイミングで投稿できたこともうれしいです。

こうだたけみ (2018-01-17):

survofさんへ コメントありがとうございます。 とくに雨に濡れた花びらを見ると、魚の鱗みたいだなあと思います。 春になって桜が咲いたら、ちょっと想像してみるとおもしろいんじゃないかなと思います。

こうだたけみ (2018-01-17):

桐ヶ谷忍さんへ コメントありがとうございます。 共感してくださったようでうれしいです。 そして、桐ヶ谷さんが朝から上機嫌になる手助けができたことが、とてもとてもうれしいです。 〈ある種の冷めた見方〉に関しましては、友人から飄々としていると言われるので私の性格なのだろうと思います。妹には「あんた冷たすぎる!」と罵られるのでほどほどにしないといけないのだろうなとは思っています。自覚は、ないといえばないし、あるといえばある。

百均@B-REVIEW ON/ (2018-02-03):

うぇぇ、すごい詩だ。 と朝の4時に読んで思わず声が出ました。 多分前に頂いた、あのシーラカンスの詩集の裏表紙を思い出ました。そこに載っていたのかなぁと思いますが(間違ってたらごめんなさい)、ああ、見逃していたのであれば、自分の感性を呪います。 他の言葉にしたくないくらい好きです。最終連読んでコメカミがビリビリしました。

こうだたけみ (2018-02-03):

百均さんへ わーい、朝の4時マジックに感謝! 百均さんに久しぶりに手放しで褒められたー。 この詩はシーラカンスの表紙の手作り詩集には入れておりません。あれは即興ゴルコンダ(仮)に投稿したのをまとめたゴル詩集だったので。たしか阿ト理恵さんとの連詩のフリーペーパーには載せたような気がします。 昔からシーラカンス好きなんですよ。赤坂サカスに冷凍シーラカンスが来た時、観に行きましたもん。いつか沼津港深海水族館に行ってみたいです。あとリュウグウノツカイも好き。というか深海生物が好きだ!

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