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殺してやる
一人のひとに出会う ということが 私の生まれた日 あるいはもっと昔の 日差しを思い出す ようなことだったかもしれない とてもとても遠い国の それほど 高くない山に登り でもそれは 運動不足のわたしには こたえた 言葉 日本語でも英語でもなく 中国語、韓国語、ヨーロッパの諸言語、 およそわたしの知る どのような言語とも違う言葉を話す 人たち 土の匂い 風 目を閉じている間に 季節が入れ替わる こんな場所にも遊女はいるのか 記憶はいつも 他人の手紙のようで…… これも出会いなのか ひとなのかお前は わたしを撫でる手に お前は誰なんだと 言いたくなる、 殺してやると 言えずにペニスを咥えている 生きるためですらなく、 わたしがいて、そして どこの誰だかわからない お前もここにいる ということが 私の生まれた地 あるいは 遥か異国の山脈を思い出す ようなことだったかもしれない
殺してやる ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1088.9
お気に入り数: 1
投票数 : 6
ポイント数 : 89
作成日時 2025-08-01
コメント日時 2025-08-26
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 20 | 20 |
| 前衛性 | 16 | 16 |
| 可読性 | 6 | 6 |
| エンタメ | 3 | 3 |
| 技巧 | 20 | 20 |
| 音韻 | 4 | 4 |
| 構成 | 20 | 20 |
| 総合ポイント | 89 | 89 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 20 | 20 |
| 前衛性 | 16 | 16 |
| 可読性 | 6 | 6 |
| エンタメ | 3 | 3 |
| 技巧 | 20 | 20 |
| 音韻 | 4 | 4 |
| 構成 | 20 | 20 |
| 総合 | 89 | 89 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


「日本語でも英語でもなく」というくだりは、言語が通じないことによって、逆に身体と言葉の限界が露わになっているように感じられました。
0読んでいて悲しくなりました。 自分の仕事を貶めるような言葉に。 どんな仕事でも仕事は仕事です。舐められて腹の中で殺してやると思われている客の思いを考えると同情に値しますね。 文章が上手いとか学識があるとかそれ以前の問題。タイトルがまず汚くて、それを覆すようなロジックも見当たらなかった。
0あいかわらず、新しい視点にあふれた詩ですね。異国の地。お仕事はやめられた方がいいですよ。
0殺したくなるほど愛してほしいのかなと思いました。 自分で自分を撫でられるようになると、やさしさの温度を感じられるようになったりしますね。
0天地開闢。イザナギイザナミ。もうひとつの裏神話物語。ってことで創造の物語体験をリアルに再現させてみせた。ってことだろう。けれども、『殺してやる』こんな挑発的で禁句に近いショッキングなタイトルをわざと付けなくてもいいような気もする。性と生が結びつきその親和力によって死がおとずれるような、もう少しやわらかな言葉の表現。例えば『愛する故に』とか『巡殺し』「生殺し」とか(笑) 他にないのか、と思う。
0ゆらゆら揺れる蜃気楼の中 エアコンのきいた部屋の出来事みたいですね。
1こんにちは、確かにあらっと思うタイトルですし無闇矢鱈に使うべき言葉ではないですが、 この詩を包む いろいろな重い感情、苦しみを包括したならば 僕はなるほど と感じました。 >>これも出会いなのか >>ひとなのかお前は >>わたしを撫でる手に >>お前は誰なんだと この連が非常に印象深くまた僕の心には迫りました。完備さんの意図とは異なるかもしれませんが 「わたしを撫でる手に お前は誰なんだと」 無遠慮に自分に立ち入られた時など、こんな風に感じる時がみんな多かれ少なかれあるのではないでしょうか。グサッときましたね。 >>わたしがいて、そして >>どこの誰だかわからない >>お前もここにいる この連も 刺さります。 非常にヒリヒリする詩でした。
0タイトルがめっちゃ好きです。笑 メルモさんの『生殺し』も良いな。
0一人の人に出会う、というのが大きな目的だったとして、「お前なんかい?!」ということはよくありそうだと思いました。たった一人なんだから期待外れなら殺したくもなりますよね。そして男ってなんでとりあえずペニスを咥えさせるのか、ほんとどいつもこいつもそう。当たり前の本能なんだろうと思っていてもなんか可笑しく思います。 第1連と最終連がきれいに重なっていて美しいです
生殺し、はどうかなぁ。
0やはり、とても優しい筆致ですね。 「殺してやる」 それは強烈な意志なのでしょうか。 私には、哀しさをはらんでいるように感じられます。 寧ろ、私も、どこの誰だか分からないお前も、共に異邦人であると、ひとときの郷愁を分かち合っているのではないでしょうか。 ひとは寂しく、孤独な生き物ですね。 ありがとうございます。
1異国の山脈はアペニン山脈であろうかと勝手に決めてこの詩を読み終わりました。ヨーロッパの諸言語などとは違う言語を話す人たち。遊女と言う存在。ペニスを咥える存在は被差別部落民なのではなくて、何か必殺の一発を狙っている存在なのかもしれません。
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