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名を変える鳥   

カオティクルConverge!!貴音さん 
作成日時 2018-02-17
コメント日時 2018-02-24

 

此処は君の居る光の街、僕の翼じゃ辿り着けない摩天楼が建ち並ぶ場所。友人は果てを目指して羽ばたいたけれど、帰って来ない。きっと、僕よりも高い空で楽しんでいるのだと思う。それかまだ辿り着けて居ないのだと思う。力尽きても落ちる事は許されない場所をきっと羽ばたいているのだろう。友人は見上げてばかりいたけれど、僕は広がる地上に興味があったから見下ろす事が多い。此処は君の居る光の街、僕は君を捜し飛び回る渡鳥。 眠らない街は明かりを灯す様に形を変えて、視界を点に閉じ込める。その中を鳥目の僕は危なっかしく風に乗る。行き交う人混みはまるで1つの生き物の様であるけれど、その顔の表情や感情、目的地は違っている。大きな木から地上へ目を凝らす。もし君が通るなら一目で飛んでいけるから。だけど、今日も君は此処を通らなかった。眠らないで次の場所へと羽ばたこう。皆は冷えきる前に遠くの街へと渡ってしまった。僕はきっと凍えてしまうだろう。だからその前に君を見付けたい。かつて、僕は君の籠から放たれた飼い鳥。今は居場所を見付けられなかった迷い鳥。この広い空の元では繋がっていると言い聞かされていたけど、8畳の巣にに帰りたいと願う逸れ鳥。 君は何処に行ったのだろう。僕の体は鉛みたいに重くなって、もう空を羽ばたけそうに無い。飛んでいた空は遠く、人混みの鳴らす靴音と通り過ぎる影は点滅は死期を感じさせるものであった。せめて最期に君に会いたかった。そう願っていると、誰かが僕を救い上げた所で意識を無くした。どのくらいの時間を眠っていたのだろうか。目覚めると、埃の臭いがする喫茶店の籠に入れられていた。君の面影を感じる人間は、弱っていた僕に食べ物を恵んでくれた。そして、色んな話を僕にしてくれた。下らない事や難しい事、分からない事を沢山してくれた。常に開けている鳥籠と小窓から抜け出しても構わないと言うけれど、僕は君を捜し飛び回るよりも、閑古鳥として鳴いて待っている事にしようと思う。


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沙一 (2018-02-20):

私の知っている、いままでの貴音さんの作風とはちがうので、意外でした。 寓話のように、たのしく読ませてもらいました。 単純な再会ではないところが、このお話を印象深くしていますね。 喫茶店の主人にも、かつては、たいせつにしていた友達の鳥がいたのかもしれないと思いました。 そうだったらいいな、とも思います。

カオティクルConverge!!貴音さんカオティクルConverge!!貴音さん (2018-02-20):

沙一さん、こんばんわ。貴音です。 本当はじっと待つべきだったんでしょうけど 反応が欲しいなんて我儘言ってすみません。 でも、応えていただいて本当に嬉しいです。そして、ホッとしました。 なんか、皆さんを怒らせる事をしてしまってこうなってるのかなとか ほんと、色々考えちゃいました。 話を戻しますね。 詩でやりたい事が幾つもあるのです。 詩でハードコアもしたいですし 興味を持ち始めている人達を繋ぐ中継の詩も書きたいです たんに私が小説や寓話を書く持久力とかが無いせいもありますが 詩の長さで物語を書いてみたいんです。 今回の詩もそのような気持ちが強く出て書いてみました。 私は人、私は家族では妹、世間では社会人、職場では看護師と その時と場所によって呼ばれ方や振る舞いを変わる事 養子を向かい入れるってなんだろうをテーマにしてみたかったんですが いつの間にかこういった形になっていました。 お互いに本当に望んだ形では無かったかも知れませんが かつての主人や飼い鳥の面影を感じさせるものって関係から やがては本当の家族になってほしいなと自身も思います。

仲程仲程 (2018-02-23):

いいと思います。個人的な好みでしょうが、何度か読み返してしまう感じです。 失礼ながら、もう少し工夫できるかとも感じ した。お遍路を読んだせいかもしれません。

カオティクルConverge!!貴音さんカオティクルConverge!!貴音さん (2018-02-23):

これはこれで完成!と思って投稿しましたが 個人的には淡々としているのと、もう少し長くても良いかなと読み直して感じました。 私個人の方で手直ししたいと思います。

エイクピアエイクピア (2018-02-23):

君の居る光の街、僕の翼では辿り着けない摩天楼が立ち並ぶ場所。友人も出て来て君と友人は別人物だと思いました。 第2連ではっきりと飼い鳥であると言う言明。君の籠に飼われて居たと。第1連目では翼とか、あやふやな感じだったのがすっきりと僕は鳥、君は飼い主?らしいと分かります。友人は同業者?ではないですが、やはり鳥と言う事なのでしょう。 最終連で、出て来る新たな飼い主。とは言ってもこの飼い主は「僕」を拘束する気はないようです。やはり全3連に出て来る「君」と言う飼い主が抒情性を醸し出して居る中心パーソンだと思いました。

社町 迅社町 迅 (2018-02-23):

物語的な作品で、読みやすかったです。 (怪文書の方は、感想を出せるまで読みこむのが難しかったのでなおさら・・・) 使命感に駆られて飛び回りつつ、名前を変えながら、生きている鳥の精神が強くある様が印象的でした。 貴音さんの試みたいことが、なんか素敵なことになりそうなので密かに応援します。

カオティクルConverge!!貴音さんカオティクルConverge!!貴音さん (2018-02-24):

エイクピアさん、はじめまして。貴音です。 おっしゃる通り僕は鳥で、友人も鳥で、君は飼い主さんです。 今回は鳥と飼い主という形にしましたが、夫婦と愛人とか そういったものにも例えてもらえたらと思います また少し面白くなると思うので

カオティクルConverge!!貴音さんカオティクルConverge!!貴音さん (2018-02-24):

社町 迅さん貴音です。こんばんわ。 どんな所に行っても変わらない人っていると思うんですけど そういったブレない物も描きたくて書いてもみました ほんと、書きたいテーマ沢山です。 怪文章みたいな難しいのも書いたりしますが、ありがとうございます。 私も応援しています。


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